(この記事は 2015 年 1 月 19 日に Office Blogs に投稿された記事 Our journey with OneNoteの翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
今回は、聖心フォレスト リッジ校に勤める Michael Smith 氏と Palie Cantu 氏が執筆した記事をご紹介します。
聖心フォレスト リッジ校 (英語)が 1996 年に「1 人に 1 台」の教育プログラムを開始した後、初期にそのメリットを享受できたのは、カリキュラムで文章の処理やインターネットへのアクセスが必要となる国語や社会 でした。こうした技術は、キーボードとの親和性が高くない理科や数学などの教科ではあまりメリットが得られなかったのです。しかし、2003 年にタブレット PC に移行してからは、便利なデジタル インク機能を活用できるようになり、教育と技術の融合によってすべての教科にまったく新しい可能性がもたらされました。
OneNote 2003 が登場したとき、一部の数学や理科の教員はこの新しいツールを試し、その後すぐに導入しました。OneNote のデジタル インク機能は使いやすく、キーボードで面倒な操作をしたりソフトウェア アドインを追加したりしなくても複雑な記号や図を描くことができます。それ以外のメリットも相まって、他教科の教員も注目し、採用するようになりました。
教員や生徒が OneNoteを試しているうちに、これが鉛筆と紙を使うのと同じくらい簡単に使用できる統合ツールであり、組み込まれているまとめ機能、自動バックアップ、音声や動画 の記録、文章処理、スプレッド シート、グラフ作成ツール、デジタル ペーパーのサイズ変更などの各種機能を組み合わせて使えることがわかりました。また、生徒たちが気に入ったのはカラー インクのカスタマイズ機能です。これで一味違った方法で学習できるようになりました。
OneNote Class Notebook Creator を使用した共同作業
私たちが待ち望んでいた簡単に共有と共同作業を行える機能が、この新しいツールによって実現されます。宿題を教員から生 徒に配布してそれを回収するという作業は手間がかかるものでしたが、授業には欠かせないプロセスであるため、電子メールと LMS ポータルへのファイルの投稿を組み合わせるという奇妙な方法をとっていました。このやり方は面倒で時間がかかり、また途中でミスが発生することもよくあり ました。独自のネットワーク インフラストラクチャで共有や共同作業を行う方法を開発できる有能なプログラマに恵まれている学校もいくつかありましたが、本校では、世界中のほとんどの 学校と同じくそのような人材には恵まれませんでした。シンシナティ カントリー デイ スクール (英語)、アップルビー カレッジ (英語)、ウィットフィールド スクール (英語)などの先進的な学校では OneNote をいち早く採用し、共同作業に活用していました。マイクロソフトはこれらの手法を統合し、教育機関向けの Office 365 としてリリースしました。この中の OneNote Class Notebook Creator (英語)ツールでは、教員から生徒に、または管理職から各教員にといった幅広い範囲でノートブックを共有することができます。
個別学習
個別学習を実施するうえで必要なことの 1 つに、教員に担当カリキュラムについての自由な裁量権を持たせるということがあります。歴史的に見ると、米国の出版社が教科書を作成する際には、多くの場 合、まずカリフォルニアやテキサスなど購買者の影響力が非常に大きい州の基準に従って編集し、その教科書が他の州にも供給されるという流れになっていま す。こうした構造は出版社にとっては経済的なメリットがあるのかもしれません。しかし、多くの教員はこれを理由に、自分自身で教材を作成するほうがよいと 考えています。
著作権法をよく理解して遵守する必要はありますが、OneNote Class Notebook Creator ツールを使用すると、各教員が教材を集め、それを整理して OneNote のノートブックでデジタル教科書を作成し、生徒と共有することができます。教科書に書き込みをしないように生徒に言い聞かせる必要はもはやなくなったので す。 |
このようなデジタル教科書では、生徒が各自思い思いの方法でマーカーを引いたり、色を塗ったり、丸で囲んだり、メモを書 き込んだりすることを積極的に推奨できます。中には、いまだに冥王星が惑星であると記述している教科書や、誤った国名や国境線が書かれた地図を載せている 教科書もあるかもしれません。しかし、共有ノートブックでデジタル教科書を配布すれば、紙の教科書のようにこうした不正確な情報が更新されるまで何年も待 つ必要はなくなります。
「ピンと来る」ということ
18 年間「1 人に 1 台」の教育プログラムを推進してきた実績のある本校には、これまでに国内外から多数の方が授業風景を視察にいらっしゃいました。訪れた先生方や管理職の方 の中には、訪問の前から OneNote の話を聞いていて、その理論的な概念が頭に入っている方も多くいらっしゃいましたが、初めて本校の教室に足を踏み入れ、生徒の取り組む姿勢やソリューショ ンのシンプルさ、教育環境に自然に馴染んでいるようすを実際に目にすると「ピンと来る」、つまり理論的に知っていたことが具体的にも理解できるようです。 他のどの先生方とも同じように、「なるほど!」と思える場面は日常において大切な瞬間なのだと私は思います。