こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。
Outlook 2013、Outlook 2010 でデジタル署名したマクロを有効化できない問題の原因と回避策について説明します。
現象
Outlook 2013 、及び Outlook 2010 で、デジタル署名したマクロを有効化することができない場合があります。
通常 Outlook では、マクロのセキュリティ設定が [デジタル署名されたマクロに対しては警告を表示し、その他のマクロはすべて無効にする] であるとき、デジタル署名されていないマクロは常に無効化されます。
そしてデジタル署名されているマクロに対しては、有効化するかユーザーが選択することができます。
具体的には以下の動作となります。
1. Outlook の [開発] タブにある [Visual Basic] ボタンをクリックして [Microsft Visual Basic for Applications] 画面を表示します。
2. マクロを記述します。
3. [ツール]-[デジタル署名] から証明書の登録を行います。
証明書を登録すると、以下のように証明書名が表示されます。
4. Outlook を再起動すると以下の警告が表示されます。
5. [マクロを有効にする] をクリックすると、デジタル署名されたマクロが有効化されます。
しかし、デジタル署名を行っているにもかかわらず、この警告が表示されない場合があります。
警告が表示されなければマクロを有効化することができません。
また、この現象の発生時、VBE エディターの [ツール]-[デジタル署名] が以下のような表示となり、証明書が認識されていない状態となります。
発生条件
Outlook の [開発] タブの [マクロのセキュリティ] にて、[デジタル署名されたマクロに対しては警告を表示し、その他のマクロはすべて無効にする] が選択されている場合に発生します。
原因
Outlook 2013 及び Outlook 2010 において、デジタル証明書を正しく認識しないという不具合にによって発生します。
対処方法
[マクロのセキュリティ] の設定を、[デジタル署名されたマクロに対しては警告を表示し、そのほかのマクロはすべて無効にする] から [すべてのマクロを有効にする] へ変更します。
この設定によって、デジタル証明書が不要となり、マクロを有効化させることができます。
Outlook におけるマクロのセキュリティについて
Outlook のマクロは Word や Excel とは異なり、外部のユーザーからファイルを送って実行させるというようなことはできません。
そのため、マクロのセキュリティを低くした場合も、メールで送られたマクロが無条件に実行されるということはありません。
セキュリティを低くすることにより発生する可能性としては、ローカルに保存されている .otm (VBA プロジェクト) ファイルを悪意のあるユーザーが上書きするということが挙げられます。
しかしながらそのような操作ができるということは、Outlook の設定にかかわらず、その端末全体が既に危険に冒されている状態と言えます。
補足
Outlook 2013 及び Outlook 2010 の [開発] タブはデフォルトでは表示されません。
以下の手順にて表示することができます。
- 手順
1. Outlook を起動し、[ファイル] タブの [オプション]-[リボンのユーザー設定] を開きます。
2. 右側のボックスにある [開発] のチェックボックスをオンにし、[OK] をクリックします。
- 参考資料
Title: 方法 : [開発] タブをリボンに表示する
URL: https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/bb608625.aspx