(この記事は 2015 年 12 月 15 日に Office Blogs に投稿された記事 Global learning and collaboration with OneNoteの翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
今回は、ベルギーで社会人教育コースの講師を務める Koen Timmers 氏の記事をご紹介します。
私は、ベルギーで社会人を対象にコンピューター サイエンスと Web デザインを教えています。講座を担当するうえでの目標は、クラスのペーパーレス化と受講生の意欲を引き出すことです。授業では共同作業を通じて課題解決型学習 (Project Based Learning) を行うことで、受講生が自身のニーズや興味を満たせるようにサポートしています。また、ブレンド型学習 (Blended Learning) を採用しているため、授業の半分は自宅から Skype for Business を使用して行っています。
OneNoteは、私と受講生の両者のニーズを満たしてくれる存在です。この記事では、私の授業での OneNote の活用方法をご紹介したいと思います。
ペーパーレス化の必要性
クラスのペーパーレス化を目指す理由は、紙のドキュメントはすぐに情報が古くなるうえ、環境にも悪く、双方向性に欠けるためです。ペーパーレス化を実現するためには、古くなった学習用ソフトウェア (コースウェア) を更新したり、そのコースウェアを共有する難しさを克服したりと、さまざまな問題を解決する必要がありました。私の授業は課題解決型であるため、コースウェアは常に受講生のニーズに合っていなければいけません。たとえば、受講生から追加情報が欲しいという要望があったため、付録を追加する必要がありました。また、大量のドキュメントを用意していたにもかかわらず、以前のデジタル教科書には授業スケジュールやその他の重要な情報が含まれていませんでした。そのため、受講生は必要な情報を見つけるために 20 ものファイルを検索しなくてはいけませんでした。さらに、一部の受講生からは動画や音声という形で簡単なヒントを提示して欲しいという声が挙がりました。
そこで、私は OneNote の導入を決めました。1 つの OneNote Class Notebook を 3 つのクラスで共有し、授業を進めながらデジタル教科書を作り上げました。
OneNote Class Notebook では受講生どうしが共同作業を行い、資料やコメント、要望、感想、意見、質問などを共有します。たとえば、Danny が質問を投稿したら、Stefan が回答の助けとなる参考資料を追加し、Vanessa が Danny の質問に回答するといった具合です。
古くなった紙の教科書の代わりに OneNote Class Notebook を使用
しかし、それは第一歩を踏み出したにすぎませんでした。その後、受講生自らチュートリアルを作成して共有し始めたのです。現在、OneNote Class Notebook には、私が追加した理論だけでなく受講生が追加した見解や知見も含まれています。受講生どうしで影響し合っていますし、私も受講生が作成したノートから新しいアイデアを発見することがあります。
学期末に受講生に対して実施したアンケートで、デジタル教科書と OneNote の利用について意見を求めたところ、55% が OneNote を「とても良い」と評価し、32% が「良い」と回答しました。OneNote に不満があると答えた受講生はいませんでした。
受講生が挙げた OneNote Class Notebook のメリットの一部を以下にご紹介します。
- 体系的にまとめられており、必要な情報がすべて含まれていて、情報を検索しやすい。
- OneNote はフルカラーなので、コード スニペットが見やすい。
- 常に最新かつ的確な情報に更新されている。
- いつでもどこからでもアクセスできるうえ、受講生が要望やメモを追加することができる。
受講生の Grace は、香港に 6 週間滞在していた間も Skype のおかげでリアルタイムで授業に出席できました。しかも、OneNote から課題やすべての情報にアクセスすることができました。
ぜひ私たちの OneNote Class Notebook (オランダ語)をご覧ください。
あらゆる年代向けの OneNote
受講生の中で最年長の Fred (81) は、オランダ在住で片道 1 時間半かけて授業に出席しています。Fred は元空軍パイロットで、現在は趣味で Web サイトを作成しています。OneNote を利用することで、学校が休みの間も HTML や CSS のスキル向上を図っています。
OneNote に関する Fred の感想をご紹介しましょう。
「すべての情報を 1 か所で収集できるため、OneNote は非常に便利です。後で読もうと思った文献へのリンクをまとめておけますし、PDF よりも使いやすいと感じています。ゴルフ仲間にも、会合中にメモを取れるように OneNote を紹介しました。OneNote Class Notebook では、共同作業を行える点が非常に気に入っています。先生は、テキストやスクリーンショットで補足して Web プロジェクトの細部まで説明してくださるので、自宅でも復習することができます。授業に出席できなかったときは、動画を撮っておいてくださったこともありました。OneNote は従来の黒板に代わる最新のツールであり、私にとってはより快適な学習ツールです。以前は先生が板書したものをノートに書き留めていたため、実践に充てる時間がほとんどありませんでした。今では、知識を活かして実習する時間を多く取れるようになりました」
デジタルインク機能
OneNote を導入する前、一部の受講生は私が板書した内容を写真に撮っていました。これを見て、現状を変えなければいけないと気付いたのです。そこで、OneNote を使用し、同じ内容を Microsoft Surface にデジタル ペンで記入することにしました。黒板やチョーク、黒板消しは不要になりました。
デジタル インク機能には以下のようなメリットがあります。
- ノートを保存して他のクラスで再利用したり、メールやクラウド、共有ドキュメントから共有したりできる。
- ノートを拡大したり、OneNote Class Notebook 内で移動したりできる。
- 読みやすいノートを作成できるうえ、更新や消去が容易である。
- 色や背景画像を使用できる。
黒板の内容を OneNote の教科書に記入するため、チョークが不要に
さらに、デジタル インク機能は他の場面でもさまざまな用途に使用できます。
- 宿題の採点: デジタル ペンを使用して、宿題や課題を採点できます。共有の OneNote ドキュメントに音声ファイルや動画を添付して、受講生に生のフィードバックを行うこともできます。
- スクリーンキャストの作成中に注釈を追加: Office Mix (英語)、Snip (英語)、Edge ブラウザー (英語)といった新しいツールにより、スクリーンキャストの作成中やノートの保存中に Web ページに注釈を追加できます。注釈を追加することで、内容が明確になり、課題に焦点を当てやすくなります。
- ホワイトボードでのブレーンストーミング: ホワイトボードを使用することで、受講生が積極的に参加し、アイデアを整理したりブレーンストーミングを行ったりできます。
個人による支援とグローバルな共同作業
数週間前、私はビデオ ゲームを作成しました。最初にレベルのフローチャートを作成し、次に、主人公、海、足場、雲、山などの視覚的要素をスケッチしました。このゲームを作成するうえで、Microsoft Innovative Expert の仲間たちが協力してくれました。ブラジルの Francisco にはレベルの設計をサポートしてもらい、ドイツの Miriam にはゲームをテストしてもらいました。
このゲームを作成した目的は、Project Kakuma の資金集めです。このプロジェクトでは、20 人の Microsoft Expert Educator から成るグループが Skype を利用して、アフリカのカクマ難民キャンプに集まる何百人もの難民を支援しています。このプロジェクトを取りまとめるために、私たちは OneNote を使用してデータを収集し、最新情報を共有しました。このプロジェクトは現在も進行中で、カクマ難民キャンプに最初の OneNote Avengerが誕生しました。彼の名前は Abdul です。
私たちのゲームを購入することで、このプロジェクトをご支援していただけます。このゲームは、Windows 10 および Windows 8 デバイスで動作します。詳細については、www.projectkakuma.com/game (英語)をご覧ください。
授業に OneNote を使用することで、私は日々刺激を受けています。
—Koen Timmers
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