こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。
Office のグループ ポリシーは、エディションによってサポートされないものがあります。
この記事ではその詳細を説明します。
Office のグループ ポリシーのサポート範囲
以下の表で○となっているエディションのみがグループ ポリシーのサポート対象です。
グループ ポリシーのサポートについては下記の弊社公開資料にも説明があります。
Office 2013 向けの内容ですが、それ以外のバージョンも同様です。
Title: Office 2013 のグループ ポリシーの概要
URL: https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc179176.aspx
-- 抜粋ここから --
グループ ポリシーでは、次に挙げるバージョンの Office 2013 を管理することができます。
•ボリューム ライセンスで入手可能な Office スイート。たとえば、Office Standard 2013。
•小売店から購入できる、またはボリューム ライセンスで入手できる個別の Office プログラム。
Office を Office 365 の一部として購入した場合は、購入したライセンス プランに応じて、グループ ポリシーを使用して Office プログラムを管理できるかどうかが決まります。
グループ ポリシーをサポートしている Office 365 プランの一覧が、「Office アプリケーション サービスの説明」に記載されています。
-- 抜粋ここまで --
上記抜粋の「Office アプリケーション サービスの説明」は、以下の資料となります。
Title: Office アプリケーション サービスの説明
URL: https://technet.microsoft.com/library/office-applications-service-description.aspx
グループ ポリシーが使えないエディションでの対処方法
グループ ポリシーをサポートしていないエディションを利用している場合、Policies 配下のレジストリが読み込まれません。
例えば、Outlook 2013 で新規メッセージの既定の形式をテキスト形式に強制したいとき、グループ ポリシーが使える場合には以下のレジストリを作成します。
値の場所 : HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Office\15.0\Outlook\Options\Mail
値の名前 : EditorPreference
値の種類 : REG_DWORD
値のデータ : 65536
しかしながら、グループ ポリシーをサポートしていないエディションでは、Policies 配下のレジストリを Office アプリケーションが一切参照しない動作となります。
こういった場合の代替の展開方法としては、以下の Policies 配下ではない同じ名前のレジストリを配布することが挙げられます。
値の場所 : HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\Outlook\Options\Mail
値の名前 : EditorPreference
値の種類 : REG_DWORD
値のデータ : 65536 (10進数)
このようなレジストリは、Office の管理用テンプレートを使って配布することはできませんが、グループ ポリシー管理エディターで配布することが可能です。
グループ ポリシー管理エディターで配布する手順
1. ドメイン コントローラーにて、該当するユーザーが所属する OU またはドメインのグループ ポリシー管理エディターを起動します。
2. 左側のペインのツリーにて、[ユーザーの構成]-[基本設定]-[Windows の設定]-[レジストリ] を展開します。
3. 右側のペインで右クリックをし、[新規作成]-[レジストリ項目] をクリックします。
4. [全般] タブで、上記レジストリの設定を行います。
[アクション] : 更新
[ハイブ] : HKEY_CURRENT_USER
[キーのパス] : Software\Microsoft\Office\15.0\Outlook\Options\Mail
[値の名前] : (チェックボックス) チェック無 / (テキストボックス) EditorPreference
[値の種類] : REG_DWORD
[値のデータ] : 65536 (10進数)
5. [適用] ボタン、[OK] ボタンの順にクリックします。
6. グループ ポリシー管理エディターを閉じます。
7. クライアント端末を再起動し、設定が反映されていることを確認します。
(コマンド プロンプトから gpupdate /force を実行して強制的に反映することができます。)
注意点
上記設定を行っても Outlook の対象箇所はグレーアウトされません。そのため、ユーザーが変更することは可能です。
しかしながら、次回ログオン時に再度レジストリが配布されるため、設定が管理者の指定したものに戻されるという動作になります。
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