(この記事は 2016 年 5 月 4 日に Office Blogs に投稿された記事 Announcing simple and powerful file sharing and collaboration for Office 365 の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
ファイルの効果的な管理と共有は、ほぼすべての組織に共通する重要課題です。このたびマイクロソフトは、OneDrive for Business と SharePoint Online を含む Office 365 のファイル管理機能に関する最新の画期的なビジョンと、デバイスを問わずすべてのファイル上で共有および共同作業を行える新たな手法について、発表いたします。また、おすすめコンテンツを提示してくれるインテリジェントな検出機能や、作業の影響や到達範囲を知らせてくれる機能など、業務利用にとどまらない新しい同期や共有のビジョンについても説明いたします。
OneDrive のこれまでとこれから
今年は OneDrive にとって飛躍の年となりました。Windows PC と Mac における安定性と信頼性に優れた同期機能、緊密な Office 統合、星 4 つ以上の評価を獲得した各種プラットフォーム向けのモバイル アプリ、スピーディで直観的なブラウザー上のエクスペリエンスなどに加え、重要な企業データの保護を担う IT 部門向けの管理機能やセキュリティ制御機能も開発されました。重要な機能強化をいくつも実現した OneDrive ですが、これだけでは終わりません。今年の後半には、あらゆる SharePoint ドキュメント ライブラリに保存されているファイルを同期できるようになります。2016 年第 3 四半期に予定されているプレリリース プログラムの詳細情報をどうぞお楽しみに。
1 つのファイルで広がる可能性
マイクロソフトのビジョンの基礎は、まず組織ユーザーがどのようにしてファイルを作成し共同作業を行っているのか、その実態を把握することです。Office 365 には、個人の OneDrive と SharePoint チーム サイトという、ファイルを保存するための場所が 2 つあり、Web/モバイル/同期の各 OneDrive アプリケーションは、OneDrive と SharePoint に保存されるファイルの作成、共有、共同作業を行う際、機能性と完全性に最も優れた手段として提供されています。
では、OneDrive を使った共同作業がどのように進められていくかを見ていきましょう。
通常は、あるユーザーが特定の目的 (営業提案書の作成など) を遂行するために、ドライブにファイルを作成します。ユーザーはその後、別のユーザーのアイデア、フィードバック、専門知識を同じファイルに反映させる必要があります。組織は、個人用のファイルをまとめて保存し、デバイスを問わず、必要に応じて社内外で共有や共同作業を行える場所を、ユーザー全員に提供する必要があります。このようなニーズを一手に引き受けるのが OneDrive です。OneDrive は、個人がファイルを作成し、作成したファイルにアクセスし、他者とファイルを共有するための場所です。モバイルファースト、クラウドファーストの世界では、クラウド上の “マイ ドキュメント” フォルダーと言うことができます。
さらにその後、ファイルの公開や配布が必要になることがあります。ファイルを見てもらう、フィードバックをもらう、ファイルを検索または再利用できるようにする、承認ワークフローを開始するなど、より多くの人々に利用してもらうためです。このような目的を引き受けるのが SharePoint チーム サイトです。SharePoint チーム サイトによって作成された場所に共有対象のファイルが置かれることで、チームや組織全体がコンテンツを検索できるようになり、共同作業も効率化します。また、コンテンツの共有と利用が維持できる、共有元のユーザーが異動や退社をした場合に個人の OneDrive と共にコンテンツが削除されない、といったメリットもあります。
このように、OneDrive と SharePoint は相互に補完し合いながら、あらゆる情報へのアクセスとそのすべての保存を、シンプルかつ的確に行っています。マイクロソフトは、OneDrive と SharePoint 間で簡単にファイルをコピー、移動できるようにすることと、デスクトップ、ブラウザー、モバイルの各エクスペリエンスを 1 つにまとめ、そこからあらゆるファイルにアクセスし、ファイルを操作できるようにするべく取り組んでいます。
OneDrive から SharePoint へのコピー
これから数か月間のうちに、OneDrive から SharePoint ドキュメント ライブラリにファイルをコピーできる機能が提供される予定です。今年の後半にはファイル移動の機能も追加する予定です。
OneDrive から SharePoint ドキュメント ライブラリへのコピー
SharePoint ドキュメント ライブラリの機能強化
ドキュメント ライブラリは、チームのファイルを安全に作成、共有、整理しており、SharePoint チーム サイトの中核を成しています。OneDrive の新しいシンプルなブラウザー エクスペリエンスを提供したとき、SharePoint にも同様の快適なエクスペリエンスが欲しかったというご意見が寄せられました。現在マイクロソフトでは、現在の SharePoint ドキュメント ライブラリのコア バリューをさらに拡大する新しい更新プログラムを公開しています。この更新プログラムにより、SharePoint ドキュメント ライブラリのあらゆる機能を維持しながら、新しいユーザー エクスペリエンスと機能によって Office 365 全体でのファイル操作が一貫したものとなります。
ドキュメント ライブラリにおける機能強化のテーマは、スピーディに作業を開始し、最も重要な情報をすぐに見分けられるようにすることです。
[Pin] をクリックすると、重要なファイルがすべてのユーザーのドキュメント ライブラリの最上部に配置され、その存在がひとめでわかるようになります。また、Office 365 ドキュメント ライブラリ内に、ドキュメント ライブラリ外にある項目へのリンクを追加することもできます。たとえば、別のドキュメント ライブラリや Web サイトに置かれているファイルやフォルダーへのリンクを追加できます。ドキュメント ライブラリの項目一覧では、そのライブラリに追加されたリンクが、リンク設定済み項目を示す地球儀アイコンで表示されます。
列の並べ替えやフィルターにも対応し、項目の特定や管理がさらに簡単になりました。さらに全文検索の結果はドキュメント ライブラリを表示したままリアルタイムで確認でき、メタデータもインラインで簡単に管理できます。
新しいエクスペリエンスによる SharePoint ドキュメント ライブラリのビュー
あらゆる Office 365 ファイルにどこからでもアクセス可能に
マイクロソフトは、場所を問わずすべてのファイルを操作できるようにするべく取り組んでいます。ブラウザーの場合は、既に OneDrive と SharePoint をまたがってあらゆるファイルに簡単にアクセスし共有することが可能となっています。前述のとおり、今年中にはすべてのファイルで共通の同期エクスペリエンスを利用できるようになる予定です。しかし、すべてのファイルにスピーディかつシンプルなアクセスが求められている最も重要なデバイスは、間違いなくスマートフォンでしょう。そのため、今回 OneDrive と SharePoint に保存されたすべての Office 365 ファイルを、OneDrive iOS アプリを使ってアクセス、編集、共有、オフライン移行できるようになりました。
iOS アプリによる SharePoint ファイルへのアクセス
OneDrive ファイルの操作のための強力な機能を SharePoint のファイルでもすべて利用できるようになったことで、Office 365 のあらゆるファイルに、本当の意味で場所を選ばすアクセスできるようになりました。今年後半には、Android と Windows Phone にも同じ機能が実装される予定です。
インテリジェントな検出
現在でも、OneDrive と SharePoint の強力な検索機能を使って、自分に共有されているファイルを含むファイル全体の検索を簡単に実行できますが、これからは、自発的にファイルを検索しなくても、ファイルがユーザーを見つけてくれるようになります。
このたび、Office Graph を使って Office 365 から適切なファイルや現在注目すべきファイルをお勧めしてくれる [Discover] ビューを、OneDrive Android アプリとブラウザー エクスペリエンスで利用できるようになりました。Delve にも似た新しい [Discover] ビューは、ユーザーが現在携わっている仕事や関係者などの情報に基づいて、そのユーザーにとって最も関連性の高いコンテンツをおすすめコンテンツとして提示してくれます。これらのコンテンツは、OneDrive や SharePoint にあるファイルを共有したり、ファイルで共同作業を開始したりする際に表示されます。つまり、必要な資料が既にあれば、それらをゼロから作成したり、有意義な記事や情報を延々と探し回ったりする必要はなくなります。何よりすばらしいのは、詳しい情報やヒントが欲しいときに、別のアプリに切り替える必要がない点です。
iOS および Windows Phone アプリでは、このエクスペリエンスを今年の後半から利用できるようになる予定です。
自分の作業が及ぼす影響を把握する
現在、よりシンプルで強力な Office 365 ファイルの管理手法の基礎が固まりつつありますが、マイクロソフトのミッションはさらにその先にあります。ユーザーが OneDrive および SharePoint Online 間でファイルをコピーまたは移動する理由について調査したところ、そうした操作自体は組織が求めるプロセスの一環として行われていたものの、現在は、自分の作業の成果が検索ヒット数を集め、評価され、「いいね!」を押され、シェアされることを非常に重視するようになっていました。Facebook や Instagram が大きな社会現象となっているのも、すべてこうした理由からです。マイクロソフトが目指しているのは、Instagram が写真のあり方を変えたように、ファイルのあり方を改革することです。これからのユーザーは、OneDrive から SharePoint にファイルを公開できることに満足せず、そのファイルがどれだけ注目されるか、どれくらい検索されたかに関心を持つようになります。自分の貢献を認知し評価してほしいという自己表現欲求、自己承認欲求に応え、マイクロソフトでは現在、ファイルを検索および閲覧した人数を時間経過と共に表示する組み込みのアナリティクスを使って、ユーザーのファイルがどれだけ浸透しているかを測定できる機能を開発しています。これからは、今までにないやり方で自分の作業の影響力を分析できるようになります。この新機能は、今年中にはモバイル アプリで提供を開始する予定です。
こうした分析機能に加えて、「いいね!」、コメント、メンションといったお馴染みのソーシャル機能を追加し、作業の価値をより詳しく分析できるようにする予定です。
理想の未来へ向かって
今回の記事では、あらゆるユーザーが使える Office 365 の新しいファイル管理機能についてご紹介しました。モバイル向けの更新プログラムは既に入手していただけるようになっています。ファイルの同期と共有に関する強力なビジョンも、次々に実現されています。信頼性に優れた同期機能、シンプルなブラウザー アクセス、強力なモバイル エクスペリエンス、場所を選ばない真の Office 統合、インテリジェントな検出機能、作業の影響力を測定できる今までにない分析機能など、これからの未来を形成するさまざまな機能について、ぜひいつものように UserVoice よりご意見をお聞かせください。OneDrive と SharePoint に関して、今後も新しい情報を数多くお届けする予定です。引き続きご注目ください。
—OneDrive チーム プロダクト マネージメント担当ディレクター Reuben Krippner
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