こんにちは。IE サポートチームの薄です。
最近、企業の管理者の方などから、
「ユーザーが利用する端末で、Internet Explorer を “既定のブラウザ” (通常利用するブラウザ) として固定しておく設定方法が知りたい」
というお問い合わせをいただくことが多くなりました。
背景には、「社内の業務 Web アプリケーションは IE での利用のみサポートしているため、ユーザーが独自に他社製のブラウザをインストールして “既定のブラウザ” に設定してしまうと困る」、「Windows 10 で、Microsoft Edge ではなく IE11を既定で利用したい」といったご事情があるとお伺いしています。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、インターネット オプションでは、[プログラム] タブ上で設定できます。
(Windows 7 IE11)
(Windows 8.1 / Windows Server 2012 R2 の IE11 では、[関連付けを設定する] ボタンをクリックすると、スタートメニューの [設定] – [システム] – [既定のアプリ] で設定するようメッセージが表示されます。)
しかしながら、グループ ポリシーには「IE を既定のブラウザにする」という項目がありません。
そこで今回は、お困りの管理者の方のために ”IE を既定のブラウザとする” ためにご利用いただける他のポリシーをご紹介いたします。
Windows 8.1 以降の PC を対象とする場合
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OS の設定である [既定の関連付け構成ファイルの設定] のポリシーを利用して、ホームページを開くブラウザーを IE に固定することができます。
Windows 8.1 以降で [コントロール パネル] – [プログラム] – [既定のプログラムを設定する] から “Internet Explorer” の関連付けを確認すると、既定では、拡張子 .htm、.htm、及びプロトコル HTTP、HTTPSは以下のように IE ではなく、Microsoft Edge に関連づけられています。
(スタートメニュー の [設定] – [システム] – [既定のアプリ] でも、同じ設定内容が確認できます。)
ポリシーで、これらの拡張子/プロトコルの既定のプログラムを IEに設定を配布する手順を以下に示します。
ポリシーの設定手順
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手順は以下のサイトにてご紹介しています。
グループ ポリシーを使用して既定のブラウザーを設定する
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt269907.aspx
こちらの内容に加えて、より設定を行っていただきやすくするため、
本ブログではもう少々具体的な手順をご案内します。
1. 準備
以下の内容をコピーし、任意の名前をつけて XML ファイルとして保存します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<DefaultAssociations>
<Association Identifier=".htm" ProgId="IE.AssocFile.HTM" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier=".html" ProgId="IE.AssocFile.HTM" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier=".mht" ProgId="IE.AssocFile.MHT" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier=".mhtml" ProgId="IE.AssocFile.MHT" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier=".partial" ProgId="IE.AssocFile.PARTIAL" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier=".svg" ProgId="IE.AssocFile.SVG" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier=".url" ProgId="IE.AssocFile.URL" ApplicationName="インターネット ブラウザー/>
<Association Identifier=".website" ProgId="IE.AssocFile.WEBSITE" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier=".xht" ProgId="IE.AssocFile.XHT" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier=".xhtml" ProgId="IE.AssocFile.XHT" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier="FTP" ProgId="IE.FTP" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier="http" ProgId="IE.HTTP" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier="https" ProgId="IE.HTTPS" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier="MK" ProgId="IE.HTTP" ApplicationName="Internet Explorer" />
<Association Identifier="RES" ProgId="IE.HTTP" ApplicationName="Internet Explorer" />
</DefaultAssociations>
これは上記のサイト “グループ ポリシーを使用して既定のブラウザーを設定する” で “既定の関連付け構成ファイル” と記載されているファイルになります。具体的には、「上の [IE の関連付け] ダイアログですべてチェックした状態でエクスポートした “既定の関連付け構成ファイル” から、IE に関する指定のみ抽出したファイル」です。
通常の手順でエクスポートした “既定の関連付け構成ファイル” には IE 以外のアプリケーション関連付け設定も含まれているのですが、上記のように IE の指定だけを含めることで、IE の関連付け設定のみ配布することもできます。
IE 以外のアプリケーションの関連付け設定も配布されたい場合には、通常の手順でエクスポートしたファイルをご利用ください。
既定の関連付け構成ファイルのエクスポート手順については以下のサイトにて紹介しております。
既定のアプリケーションの関連付けのエクスポートまたはインポート
https://technet.microsoft.com/ja-JP/library/hh825038.aspx
保存したファイルは、ポリシー配布対象の PC がアクセスできる共有フォルダに配置します。
2. ポリシーの設定
2-1. グループポリシーエディタで、以下のポリシーを開きます。
[コンピューターの構成]
[ポリシー]
[管理用テンプレート]
[Windows コンポーネント]
[エクスプローラー]
[既定の関連付け構成ファイルの設定]
2-2. オプションの [既定の関連付け構成ファイル] に、1. 準備 で配置した xml ファイルのパスを指定します。
配布対象の PC からアクセスできるよう、UNC形式で指定してください。
[OK] をクリックして、ポリシーの設定は完了です
>注意
このポリシーは、Windows Server 2012 / Windows 8.1 以降でサポートされているため、Windows Server 2008/2008 R2 のグループ ポリシー エディターにはこのポリシー項目がありません。
この場合 Windows Server 2012 もしくは Windows 8.1 以降の PC を用意していただく必要があります。またはサーバー機ではなく Windows 8.1 以降の クライアント PCから、リモート サーバー管理ツールを利用してポリシーを設定いただくこともできます。
Windows 8.1 用のリモート サーバー管理ツール
https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=39296
Windows 10 用のリモート サーバー管理ツール
https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=45520
Windows 8.1 より前のOS の PC を対象とする場合
(Windows Vista、Windows 7 など)
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こちらの場合、ポリシー [既定の関連付け構成ファイルの設定] は利用できず、IE を既定のブラウザーにするための直接的な方法がありません。
代わりに、「IE が既定のブラウザでない場合、IE起動時に ”Internet Explorer を通常利用するブラウザーにしますか” という通知バーを、ユーザーが ”はい” をクリックするまで毎回繰り返し表示する」というポリシーを利用する方法があります。
これにより、既定のブラウザーを IE 以外にしているユーザーに対して、IE を設定するよう促すことができます。
該当するポリシーは、適用する端末の IE のバージョンが、IE 10 以降か、IE9 かで異なります。
IE 10 以降
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[ユーザーの構成]
[ポリシー]
[管理用テンプレート]
[ Windows コンポーネント]
[Internet Explorer]
[Internet Explorer が既定の Web ブラウザーでない場合にユーザーに通知する]
-> “有効″ とする
IE9
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2 つのポリシーを配布します。
1) インターネット オプション [プログラム] タブ [既定のブラウザー] の、[Internet Explorer が既定の Web ブラウザーでない場合に通知する] にチェックを入れる設定です。
IEが既定のブラウザーでない場合、IE 起動時に ”Internet Explorer を通常利用するブラウザーにしますか” という通知バーを表示させます。
以下のレジストリを配布します。
キー :HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftInternet ExplorerMain
名前 :Check_Associations
値 :yes(Internet Explorer が既定のブラウザーではない場合、ポップアップメッセージが表示される)
レジストリ設定の配布には、グループ ポリシーの “基本設定” をご利用いただけます。
[レジストリ] 項目を構成する
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc753092(v=ws.11).aspx
2) インターネット オプション [プログラム] タブ [既定のブラウザー] の、[Internet Explorer が既定の Web ブラウザーでない場合に通知する] をグレーアウトし、ユーザーが変更できないようにする設定です。
[ユーザーの構成]
[ポリシー]
[管理用テンプレート]
[Windows コンポーネント]
[Internet Explorer]
[Internet Explorer の起動時に、通常使用するブラウザーを確認する]チェック ボックスのオン/オフの変更を許可しない]
-> “有効″ とする
今回の内容は以上となります。