(この記事は 2016 年 5 月5 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 How to turn your ideas into profitable IP の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
IP (知的財産) を構築すると、ビジネスの価値評価に多大な影響がもたらされます。成功すれば、粗利益率が上がり、キャッシュ フローの変動が抑えられ、専門的な知識とスキルによって優位性を確立できます。また、自社固有のパッケージド IP があれば、マーケティングと営業の双方が標準化され、必要な経費が少なくなるため、コスト削減にもつながります。
一方、パートナー様からは、クラウド ビジネスの成功に貢献するような IP の作成にどうやって着手すればよいかわからないという声もたびたび聞こえてきます。もしも IP の作成を、膨大な手間とコストを掛けて調査・開発を行う一大事業だと考えているなら、ここで秘密を明かしましょう。実は、それほど難しいことではないのです。
最適な IP 開発戦略を見極める
IP の開発に着手する方法は 1 つきりではありません。まずは、自社に最適な戦略を見極めることが、パッケージとして販売可能で収益につながる IP を作成する第一歩です。以下に、一般的な IP 開発戦略を 3 つ紹介します。
1. プロジェクトを製品化する。
過去 10 ~ 20 件のプロジェクトを思い返してみてください。繰り返し対応しているタスクのうち、サービスとしてまとめて販売できそうなものはないでしょうか。たとえば Forceworks 社は同じ依頼に何度も対応していたことに気付いたおかげで、同社のヒット製品である RapidStart CRM を生み出すことができました (英語)。頻繁に請け負っていて IP のベースにできそうな仕事がないか、ぜひ検討してみてください。
2. 既存のマイクロソフト ソリューションの機能を拡張する。
PowerObjects 社のように、自社の専門的なスキルを活かしてマイクロソフト ソリューションに付加価値を提供し、ビジネス チャンスをつかむこともできます。同社は Dynamics CRM を中心に事業を展開することに決め、自社のカスタマイズ スキルを駆使して、ユーザー構成可能なダッシュボードを構築したことをきっかけに、急速な成長を遂げ、成功を収めました。
3. パートナーのプラットフォームを基盤として、パッケージ販売可能な IP を構築する。
他のパートナー企業のプラットフォームを基盤に、IP を構築するのも効果的です。投資やリスクを比較的抑えながら、パッケージとして繰り返し販売可能な IP を作成することができます。LiveTiles 社 (英語) は、そうしたチャンスを提供してくれるパートナーの 1 つです。同社の製品を使用すると、Office 365、SharePoint、Azure を基盤とする高機能のデジタル エコシステムを作成し、グローバルな規模で拡張および展開できるようになります。さらに同社はパートナー IP 促進プログラムを通じ、パートナー企業が市場投入期間を短縮できるように後押ししています。
高度なコーディングを行ったり、報酬の高額な開発者に依頼したりしなくても、だれでも簡単に使えるツールを提供することで、LiveTiles はパートナー企業にとっての障害を取り除き、専門性の高い IP を構築して市場に投入できるように支援しています。
一例を挙げましょう。Lighthouse Technology Partners 社は Office 365 を活用するためのソリューションを構築する方法を模索していました。同社は LiveTiles と協力することで、顧客向けのイントラネット ポータルを提供するのに必要なツールを手に入れ (英語)、その実力を見事に発揮したのです。現在 Lighthouse Technology Partners の新しい IP は、繰り返し提供可能な収益源に成長しました。同社の社長である Brian Desrosier 氏は LiveTiles とのケース スタディの中で、今後 2 年間、同社の年間売上高は少なくとも 20% アップする (英語) と予測しています。
つまり、既に行っているプロセスをパッケージ化する場合でも、既存製品の機能性を拡張したり、強力なプラットフォームを基盤にソリューションを構築したりする場合でも、考えるべき重要なポイントは同じです。パッケージとして繰り返し販売でき、収益につながる IP ソリューションに転換できそうな社内の専門スキルを見つけましょう。
専門性の高い IP を開発するための戦略を推し進め、ビジネスを差別化する詳しい方法については、『The Modern Microsoft Partner Series, Part 2: Differentiate to Stand Out (先進的なマイクロソフト パートナー シリーズ、第 2 回: 差別化によって違いを打ち出す』で取り上げています。ぜひダウンロードしてお読みください。