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オフラインアドレス帳 (OAB) について【番外編】 オフライン アドレス帳ファイルを手動で展開する

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こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポートチームです。
オフライン アドレス帳 (OAB) について、【前編】ダウンロードに関する機能【後編】Outlook の参照先とご紹介していますが、今回は【番外編】ということで、OAB ファイルを手動で展開する方法についてご紹介いたします。

 

オフライン アドレス帳ファイルを手動で展開するシナリオ
オフライン アドレス帳ファイルを手動で展開が必要なシナリオは、以下のような場合となります。

A. サーバーと Outlook の間に帯域幅の狭いネットワーク経路が存在し、BITS のネットワークの負荷状況のチェックが有効に働かない場合
B. 初回の OAB のダウンロードの遅延を抑え、最初から OAB にアクセスする必要がある場合

 

A. サーバーと Outlook の間に帯域幅の狭いネットワーク経路が存在し、BITS のネットワークの負荷状況のチェックが有効に働かない場合
OAB ダウンロードは、BITS (バックグラウンド インテリジェント転送サービス) という OS の機能で行われており、BITS はネットワークの負荷状況を見ながらダウンロードを行うという動作となります。
しかしながら、Exchange サーバーと Outlook の間に WAN のような狭いネットワーク経路が存在し、BITS が確認できる LAN インターフェイスでは正しい負荷状況が確認できない場合、組織のネットワーク、Exchange Server、またはその両方にパフォーマンスの問題が生じる可能性があります。
パフォーマンスの問題が発生すると、ユーザーは OAB の初回ダウンロード中に応答遅延などの問題に遭遇することがあります。
低帯域幅の環境や、接続の信頼性が低い環境では、OAB を手動で展開することで、この問題を最小限にすることが期待できます。

BITS については、以下の公開情報もご参照ください。

Title: ヒント: BITS (バックグラウンド インテリジェント転送サービス) を Windows PowerShell で管理する
URL: https://technet.microsoft.com/ja-jp/windows/ff467978.aspx

 

B. 初回の OAB のダウンロードの遅延を抑え、最初から OAB にアクセスする必要がある場合
OAB ダウンロードは、早い場合には Outlook の起動後 1 分、遅い場合には十数分後から開始します。
しかしながら、ダウンロードが開始しても、他に優先度の高い処理が行われている場合には、ダウンロードが一時停止、その後再開されるといった状況となるため、最終的なダウンロードの完了までには数時間かかる場合があります。
さらに、ダウンロードが完了した後も、圧縮データの展開や差分データのマージ処理においても、状況によっては数時間要する場合もあります。
OAB を手動で展開し、事前に配布しておくことで、Outlook 起動直後から OAB にアクセスすることができます。

 

オフライン アドレス帳ファイルを手動で展開する手順
OAB を手動で展開する手順は以下となります。

– 手順
【テストコンピューターで実施する手順】
1. テスト コンピューター上にすでに OAB ファイルが存在する場合には、削除します。
OAB ファイルは次の Outlook フォルダー内のサブフォルダーにあります。

Users<ユーザー名>AppDataLocalMicrosoftOutlookOffline Address Books

2. Exchange キャッシュ モードを使用する新しい Outlook プロファイルをテスト コンピューターに作成します。
プロファイルの作成方法については、こちらをご覧ください。
3. 手順2. で作成した新しいプロファイルを使用して Outlook を起動します。
4. リボンの [送受信] をクリックし、[送受信グループ] をクリックして、[アドレス帳のダウンロード] をクリックします。
5. ダウンロードが完了したら、以下をフォルダーごとコピーします。
こちらが展開する OAB ファイルになります。

Users<ユーザー名>AppDataLocalMicrosoftOutlookOffline Address Books

6. 次に、レジストリ エディターを起動し、以下のパスから OAB GUID レジストリ サブキーをエクスポートします。
[OABs] ノード (階層) の上で右クリックし、[エクスポート] をクリックします。

HKEY_CURRENT_USERSoftwareMicrosoftExchangeExchange ProviderOABs

【展開先のコンピューターで実施する手順】
7. 手順 5. でコピーした OAB ファイルを、以下のフォルダーにコピーします。

Users<ユーザー名>AppDataLocalMicrosoftOutlookOffline Address Books

8. 手順 6 でエクスポートしたレジストリ ファイルをインポートします。
レジストリのインポートについては、こちらの記事もご参照ください。
9. Outlook を起動します。

 

今回ご案内した方法は、以下の公開情報でも紹介しております。
Office 2010 の記事となっておりますが、この方法は、Outlook 2010/2013/2016 で有効です。

Title: オフライン アドレス帳ファイルを手動で展開する
URL: https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ff969354(v=office.14).aspx


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