(この記事は 2016 年6 月2 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 How to measure marketing to get better results の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
現代型のマーケティングを推し進めるには、単に広告を打つだけでなく、より広範な事柄を視野に入れる必要があることは間違いありません。
広告ブロックや単純な広告飽和が原因で、従来のマーケティング戦略は以前に比べて効果が上がらなくなってきています。また、見込み客は情報を求めているときに、企業に問い合わせるよりも Web 検索を利用する傾向が高まっています。
現在のマーケティングでは、主にオンライン チャネルを通じて、見込み客に適切なメッセージを適切なタイミングで投げ掛けることが重要であり、あらゆるタッチポイントで魅力的なエクスペリエンスを提供しなければなりません。デジタル マーケティングであれ、従来型のマーケティング キャンペーンであれ、またはソーシャル メディアやセミナーを実施したり、ブログを投稿したり、Web サイトにホワイトペーパーを掲載したり、さらにはこれらを組み合わせて利用するケースもあるかもしれませんが、いずれの場合であっても、見込み客の心をつかんで離さないようにするには、有益でタイムリーなコンテンツが必要なことに変わりはありません。
しかし、効果的なコンテンツとそうでないコンテンツは、どう見分ければよいのでしょう。
幸いなことに、以前よりも簡単にマーケティングの ROI を追跡、測定できるようになったので、成果目標に到達していないデジタル マーケティング キャンペーンがあれば、すぐに改善することができます。
マーケティングの測定方法
イギリスを拠点とする TechQuarters 社 (英語) の CEO 兼創設者 Chris Dunning 氏は、古いコンテンツを公開するメリットがあるかどうかについて、こう語っています。「当初は、自社の Web サイトにホワイトペーパーを掲載していました。きっと大勢の人々が興味を持ってダウンロードしてくれるだろうと考えたのです。しかし、実際にはまったく関心を持ってもらえず、だれひとりとして読もうとはしてくれませんでした」
TechQuarters 社はその後も多くの教訓を得て、現在では 14 のマーケティング チャネルを通じてリードの獲得に取り組んでおり、マーケティング効果を精力的に追跡した結果、確実なリード創出と卓越した投資利益率 (ROI) につながるマーケティング ミックスを構築できました。どのようなコンテンツが顧客の行動を促すかを理解することで、興味をそそらないホワイトペーパーではなく、顧客が必要とするものをより多く提供できるようになります。
主要業績評価指標 (KPI) を設定する
『Part 3: Modernize Sales and Marketing (パート 3: 営業とマーケティングの最新化)』でも述べられているとおり、「営業とマーケティングの活動や成果を連携させるように取り組むことで、最終的には投資や、もちろん ROI も、追跡、測定できるようになります。」TechQuarters 社もこれに賛同しており、Dunning 氏は、新たなマーケティング活動を始める前に主要業績評価指標 (KPI) を設定することが不可欠だと話します。TechQuarters 社の場合、インターネットを経由したリードの成約率が 15%、リードによる収益のコスト比は 159% に上っており、インターネットはリード創出のための強力な手段であることがわかります。Dunning 氏のチームでは、Twitter のフォロワー数、Facebook でのエンゲージメント、ペイ パー クリック (PPC) キャンペーンの成果、オンライン セミナーの登録状況などを追跡しています。
目標を明確にすることで、ターゲット顧客に向けたキャンペーンが企画しやすくなり、その後の成果も容易に評価できるようになります。
追跡を重ねる
Dunning 氏と同社のマーケティング責任者は、毎週金曜日に報告書を見直しており、少なくとも月に一度はマーケティング チーム全員で KPI の達成状況を再確認しています。報告書はすべて Microsoft Dynamics CRM で作成されるので、一貫性のある想定されているとおりの方法でサービスと営業を追跡できます。
Dunning 氏のチームでは、各チャネルの月別支出額やリード創出数、リード総数に占める各チャネルの割合を追跡しています。同社にとって最も有効なリード創出手段は Web であると判明しているので、SEO、コンテンツ作成、ソーシャル メディアなどの分野に多くのリソースを投入すればよいことがわかります。
同社を見習うなら、まずは基準となるものを定めましょう。現時点ではどのような ROI を基準にしたらよいか考えてみてください。次に、目指すべき回収率を設定します。皆様の目標値はどれくらいでしょうか。マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、効果的なマーケティングが実施されれば 15 ~ 25% の ROI が達成できる (英語) そうなので、皆様にとって 15% の ROI が妥当な目標となりうるか検討してください。
まず使用すべきツール
『Part 3: Modernize Sales and Marketing (パート 3: 営業とマーケティングの最新化)』では、マーケティングのプロセスを自動化して改善できるような営業ツールやマーケティング ツールを見つけるように提案しています。事実、マーケティングとその後の追跡の両方を簡単にしてくれるツールやソリューションが各種提供されています。負担軽減に役立つリソースを、ぜひ導入してください。
マーケティングの自動化
TechQuarters 社では、MPN パートナーである ClickDimensions 社 (英語) の電子メール ソリューションを採用して、マーケティング業務を自動化しています。このインテリジェントなメール システムは Dynamics CRM Online に統合されており、CRM で顧客の行動が検知されると、その顧客宛てに自動メッセージが送信されます。活動や成果を簡単に追跡できるようになり、クロスセルやアップセルのチャンスを逃すことはありません。
SEO のランキング
さらに、Dunning 氏は Alexa (英語) のランキングを通じて Web サイトの成果を監視しています。順位が下がったら、その原因究明に取り掛かります。あるとき、サイトの順位が著しく低下していることに気付きました。Web サイトの強化に本腰を入れて取り組む必要性が浮上したわけです。そこで、リンク切れを排除し、コンテンツを更新したところ、順位が上昇し、オンライン検索結果の表示位置が改善されました。
Web のトラフィック パターン
Web サイトを分析すると、訪問者がサイトを離れたタイミング、訪問時に使用された検索キーワード、登録フォームの記入者数が多いコンテンツなど、実に数多くの役立つデータが手に入ります。Web トラフィックから有用なデータを得るには、Hubspot 分析機能などのツールを使用すると便利です。
CRM データ
測定ツールと言えば、最も強力な味方となるのは CRM でしょう。CRM データをマイニング (英語) して、顧客の行動に沿ったマーケティングを展開してください。Web セミナーや電子メール キャンペーンの後、ソリューションの購入件数は増加していますか?
オンライン ツールを使用してソーシャル メディアなどのオンライン活動を追跡しましょう。Onboardly 社の Rachael Keetch 氏が、無料のソーシャル分析ツールをこちらのページ (英語) にまとめています。コンバージョン率や、現在の増幅率 (共有されたコンテンツ)、「好感度」(読者がコンテンツをどう感じたか) の把握に役立ちます。何を測定すべきかについては、Smart Partner Marketing サイト (英語) のリソースをご覧ください。
設定した KPI に照らして、チャネルやオンライン コンテンツなどといった現行のマーケティング活動が効果を上げている (または上げていない) ことを把握できたら、目標達成に近付けるようにマーケティング ミックスを調整してください。
皆様は既にこれまで、さまざまなマーケティング活動を行ってきたはずです。一生懸命にコンテンツを作成し、見込み客の目に留まるように公開しました。そのために費やした時間やコストを無駄にしてはいけません。追跡、測定、微調整を重ねて、マーケティングへの投資から可能な限りの成果を引き出してください。
マーケティングの ROI の追跡に役立つお勧めのツールやお気に入りのツールがありましたら、ぜひ Facebook で他のパートナーや私にも教えてください。