Exchange Onlineに接続する Outlook 2013 で先進認証 (Modern Authentication) を利用するには、以下の作業を行う必要があります。
詳細については弊社 Webページ Office クライアントで Office 365 先進認証を使用する をご覧ください。
1.クライアント側の作業
Outlook 2013 で Office 365 先進認証を利用するためには、クライアント側で以下のようにレジストリの作成と更新プログラムの適用を行う必要があります。
参考: Outlook 2016 では自動的に先進認証は有効にされているため、有効にする作業は必要ありません。
1-1.レジストリの作成
以下のレジストリ EnableADAL と Version を作成します。
作成先レジストリキー | 名前 | 種類 | データ |
HKEY_CURRENT_USERSOFTWAREMicrosoftOffice15.0CommonIdentity | EnableADAL | REG_DWORD | 1 |
HKEY_CURRENT_USERSOFTWAREMicrosoftOffice15.0CommonIdentity | Version | REG_DWORD | 1 |
1-2.更新プログラムの適用
クイック実行ベースのインストールか MSI ベースのインストールかによって、ファイルの場所や対処が異なります。Outlook 2013 の [ファイル] タブ-[Office アカウント] に [更新オプション] ボタンが表示される場合はクイック実行ベース、[更新オプション] ボタンが表示されない場合は MSI ベースです。
クイック実行ベースのインストールの場合 (Office 365 ProPlus など)
以下のファイルのバージョンを確認し、バージョンが古い場合はそれよりも新しい Office 2013 のインストールを行います。
ファイル パス | バージョン |
C:Program FilesMicrosoft Office 15rootvfs ProgramFilesCommonx86Microsoft SharedOFFICE15MSO.DLL | 15.0.4753.1001 |
CSI.DLL C:Program FilesMicrosoft Office 15rootoffice15csi.dll | 15.0.4753.1000 |
C:Program FilesMicrosoft Office 15rootoffice15GROOVE.exe | 15.0.4763.1000 |
C:Program FilesMicrosoft Office 15rootoffice15OUTLOOK.exe | 15.0.4753.1002 |
C:Program FilesMicrosoft Office 15rootvfs ProgramFilesCommonx86Microsoft SharedOFFICE15ADAL.DLL | 1.0.2016.624 |
C:Program FilesInternet ExplorerIexplore.exe | 可変 |
MSI ベースのインストール (Office Professional Plus 2013 など)
以下のファイルのバージョンを確認し、バージョンが古い場合は「更新プログラム」に記載されている KB よりも新しい更新プログラムを適用します。
ファイル パス | バージョン | 更新プログラム |
C:Program FilesCommon FilesMicrosoft SharedOFFICE15MSO.DLL | 15.0.4753.1001 | KB3085480 |
C:Program FilesCommon FilesMicrosoft SharedOFFICE15Csi.dll | 15.0.4753.1000 | KB3085504 |
C:Program FilesMicrosoft OfficeOffice15GROOVE.EXE | 15.0.4763.1000 | KB3085509 |
C:Program FilesMicrosoft OfficeOffice15OUTLOOK.EXE | 15.0.4753.1002 | KB3085495 |
C:Program FilesCommon FilesMicrosoft SharedOFFICE15ADAL.DLL | 1.0.2016.624 | KB3055000 |
C:Program FilesInternet ExplorerIexplore.exe | 該当しない | MS14-052 |
参考:
弊社 マイクロソフトでは Microsoft Update などを使用して Windows と Office の最新の更新プログラムを適用して利用することを推奨しています。
MSO.DLL と OUTLOOK.EXE の最新の更新プログラムは Outlook and Outlook for Mac: Update File Versions の「Outlook 2013」から確認することができます。
2. Exchange Online 側の作業
Exchange Online の先進認証を有効にする の手順に従って、以下のコマンドを実行します。
Set-OrganizationConfig -OAuth2ClientProfileEnabled:$true
参考資料:
先進認証を有効にする方法の詳細については、以下の弊社 Web ページをご覧ください。
Office クライアントで Office 365 先進認証を使用する
Windows デバイスの Office 2013 の先進認証を有効にする
Plan for multi-factor authentication for Office 365 Deployments (英語) 日本語機械翻訳
AD FS のクレーム ルールを利用している場合は、認証方式の変更に伴い設定されているクレーム ルールの変更が必要になる場合がありますので、以下の弊社 Web ページもご覧ください。
Office 2013 and Office 365 ProPlus modern authentication and client access filtering policies : Things to know before onboarding (英語)
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補足:
Outlook 2013/2016 では、先進認証方式である ADAL (Active Directory Authentication Library) ベースのプラットフォーム間でのサインインに対応しました。 その結果以下を利用できるようになり、Outlook で基本認証プロトコルを使用する必要がなくなっています。
・多要素認証 (MFA)
・SAML ベースのサードパーティ ID プロバイダーと Office クライアント アプリケーションの併用
・スマート カードと証明書ベースの認証
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