(この記事は 2016 年 9 月 26 日に Office Blogs に投稿された記事 Office 365 news in September at Ignite—intelligence, security and collaboration の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
今回は、Office チームのコーポレート バイス プレジデントを務める Kirk Koenigsbauer の記事をご紹介します。
このたび、ジョージア州アトランタで開催された Microsoft Ignite カンファレンス (英語) にて、IT プロフェッショナルによる企業内のデジタル変革推進を支援する Office 365 全体の更新を発表 (英語) しました。従業員の生産性を高め、組織をより安全に保護するための新しいインテリジェント クラウド サービスを披露できたことをたいへん嬉しく思います。この記事では、今回の重要な発表内容を紹介していきます。Word、Excel、PowerPoint などの Office アプリ用の新サービスのほか、Office 365 全体にわたる新しいセキュリティ機能、リッチなコミュニケーション機能、共同作業機能の強化などについてご説明します。
新たなインテリジェント サービスで Office アプリがもっと便利に
7 月に発表 (英語) したイノベーションをベースとして、時間の節約や成果物の品質向上に役立つクラウド インテリジェント サービスを続々と Office アプリで提供してまいります。
- Word や Outlook にタップ機能が登場: 編集途中のドキュメントや電子メールを開いたまま、組織内の関連のあるコンテンツを探して利用できます。Microsoft Graph をベースとするタップ機能では、自分が頻繁に使用した、または同僚が公開したドキュメント、プレゼンテーション、スプレッドシートが表示され、その中からスライド、画像、表、グラフィック、グラフなど、使用したい要素を選んでクリックするだけで、それをシームレスに取り込むことができます。取り入れた要素は忠実性が保たれるため、表の色を変えたり、グラフに近似曲線や凡例を追加したり、テキストを追加したりすることができます。今後は、PowerPoint などのアプリでも提供していく予定です。タップ機能は簡単な手順でご利用いただけます。
提供状況: Office 365 Business Premium、Enterprise E3 および E5 の利用者を対象に、Current Channel の先行リリースとして Windows デスクトップ版 Word および Outlook で提供されます。Office 2016 の 9 月の更新プログラムをインストールする方法については、こちらのページをご覧ください。 |
- PowerPoint と Sway に QuickStarter が登場: QuickStarter は制作過程を一変させます。ユーザーは、まっさらな状態からでも簡単にアイデアを形にできます。Bing Knowledge Graph を基盤とする Sway および PowerPoint の QuickStarter は、含めるべき情報、検討すべきカテゴリ、Creative Commons (英語) ライセンスが適用された関連画像など、あらゆるトピックについて厳選された情報からなるアウトラインを提供します。これを起点にして、プレゼンテーションの残りの部分を作り込んでいけます。QuickStarter でどのようなことができるのか、下のビデオで実際に使用しているようすをご覧ください。
提供状況: QuickStarter は、Web 版 Sway ですべてのユーザーが利用できます。Sway を使用している教育機関のお客様は、教師のニーズに合わせて若干修正されたバージョンをご利用になれます。Windows デスクトップ版 PowerPoint の QuickStarter は、2016 年末までに Office 365 の利用者に向けてリリースされる予定です。 |
- Designer でテキストをデザイン: さらに多くの種類のスライドを簡単に美しくデザインできます。PowerPoint の Designer では、箇条書きのプロセス リストに対してプロにも劣らないデザインを提案できるようになりました。この機能強化は、以前行われた更新がベースとなっており、顔認識、色の抽出などの画像関連機能が組み込まれています。タイムラインなどの新しいジャンルの機能も今後サポートされる予定ですので、どうぞご期待ください。
提供状況: Designer でのテキストのサポートは、Windows デスクトップ版の PowerPoint で利用でき、Office 365 の利用者向けに Office Insider プログラムで提供されます。Office 2016 の 9 月の更新プログラムをインストールする方法については、こちらのページをご覧ください。Mac 版 PowerPoint の Designer でのテキストのサポートは、Office 365 の利用者向けに近日提供される予定です。 |
PowerPoint Designer が箇条書きプロセス リストのデザインを提案
- Excel のデータをマップに変換: Excel で Maps の新しいグラフ機能を使用すると、地理データから簡単な手順でプロにも劣らない視覚表現を作り出せるようになります。Bing Maps をベースとする Excel の Maps があれば、技術に詳しい人の助けや高価な他社製品がなければできなかった地理データのビジュアル化がだれにでもできるようになります。これにより、職場や学校、自宅でも、Excel のデータの中に隠れている有益な情報やトレンド、ビジネス チャンスをこれまでよりも簡単に発見できるようになります。
提供状況: Maps は 2016 年末までに Office 365 の利用者向けに、Windows デスクトップ版、Windows Mobile 版、Android 版の Excel でリリースされる予定です。 |
- Microsoft MyAnalytics: Microsoft MyAnalytics (旧称 Delve Analytics) を利用して、仕事の習慣を見直しましょう。MyAnalytics は、会議、メール、フォーカス時間、残業時間など、自分が職場でどのように時間を使っているかを理解する手助けとなります。生産性目標を設定したり、進捗状況をチェックしたりできるだけでなく、自分がだれと最も頻繁に共同作業を行っているかも把握できます。将来的には、チームや Office 365 グループが効果的な共同作業方法の確立、非効率な作業の洗い出し、優先順位の擦り合わせを行えるような、有益な情報が提供されるようになる予定です。MyAnalytics の詳細については、こちらの記事 (英語) をご覧ください。
提供状況: Office 365 Enterprise E5 の利用者は、追加費用なしで MyAnalytics をご利用になれます。 |
インテリジェンスによってセキュリティやコンプライアンスを強化し信頼性を高める
Office 365 Enterprise の利用者は、セキュリティ インテリジェンスに関して本日発表された新機能 (英語) により、組織内に潜む脅威の阻止、検知、対処を効果的に行えるようになります。
- Advanced Threat Protection (ATP) の機能強化: 新しい ATP は、生産性を損なうことなく従業員を安全に保護します。URL Detonation 機能によって、疑わしいリンクが仮想環境で分析されます。同時に Dynamic Delivery 機能によって、電子メールの配信が遅れることなく、マルウェアがないか添付ファイルがスキャンされます。ATP は SharePoint Online やデスクトップ版の Office アプリでもご利用になれます。セキュリティ管理者は新しいレポート作成機能を使用して脅威について調査と情報収集を行えるほか、Windows Defender ATP (英語) と統合することにより、ネットワーク全体で脅威を関連付けることができます。
- Threat Intelligence: Office 365 の新機能となる Threat Intelligence は、Office 365 内に潜む巧妙な脅威を未然に発見し、お客様を保護します。マイクロソフトのグローバルなプレゼンスによってもたらされる Intelligent Security Graph とサイバー脅威の専門家から提供される有益な情報に基づいて、アラートの設定、動的なポリシー構成、セキュリティ対策を迅速かつ効果的に実現できます。
Threat Intelligence があれば、リスクを監視して、組織に被害が及ぶ前に身を守ることができます。
- Office 365 の Advanced Data Governance: 同じく Office 365 に新登場のこの機能により、インテリジェンスを応用して、これまでになく容易に高付加価値データを保持し、ビジネスの継続性を確保し、総合的なリスク プロファイルを縮小できます。Advanced Data Governance では、コンピューターの支援により入手した有益な情報を活用して、ポリシーを策定、分類、設定し、組織にとって最も重要なデータに対して対策を講じ、組織のコンプライアンス目標を達成できるようになります。
Advanced Data Governance のインテリジェンスがデータ管理をサポート
提供状況: Advanced Threat Protection (ATP) の機能強化は、2016 年末までにロールアウトされる予定です。Threat Intelligence と機能が強化された Advanced Data Governance は、2017 年第 1 四半期に提供される予定です。いずれも追加料金なしで、Office 365 Enterprise E5 プラン、および新しい Secure Productive Enterprise E5 (英語) で提供される予定です。 |
- Microsoft Cloud が Outlook の基盤に: iOS 向け Outlook と Android 向け Outlook が更新され、大企業のお客様の法務、規制、コンプライアンス関連のニーズに効果的に対応するようになりました。本日をもって、Office 365 の商用ユーザーを対象に iOS 向けおよび Android 向け Outlook は、Microsoft Cloud に完全移行します。標準で Exchange Online のメールボックスがサポートされるようになり、Office 365 の外部にメールボックスのデータがキャッシュされることはありません。バックエンド サービスは自動的に更新されるため、今回の変更に伴うアプリの更新は不要です。詳細については、こちらの Outlook に関するブログ記事 (英語) をご覧ください。
共同作業の連携が深まり、よりスマートかつ効果的に
今回の発表では、チームやデスクフリー ワーカーがより効果的に連絡を取り合い、共同作業を行い、連携を深めるのに役立つ更新もいくつか紹介しました。
- SharePoint の機能強化:「クラウドファースト、モバイルファースト」というビジョンと、今年発表したロードマップの一環として、SharePoint の性能が拡張されています。SharePoint サイトや共有フォルダー用の新しい OneDrive 同期機能は、チームの連携を深めるうえで役に立ちます。同僚の連絡先情報だけに留まらない、こちらの Outlook の機能 (英語) のようなリッチなコミュニケーション機能も追加しています。チーム ニュース機能では、常にチームで最新の情報を把握でき、Power BI、Yammer、Microsoft Flow、PowerApps とのより緊密な統合により、ビジネス プロセスをよりシームレスに管理できるようになります。SharePoint チーム サイトがすべての Office 365 グループに導入され、新しくなったリスト、ドキュメント ライブラリ、ページを利用できるようになります。また、Android や Windows 向けの SharePoint モバイル アプリを使用すると、イントラネットをポケットに入れて持ち運べるようになります。詳細や提供状況については、こちらの SharePoint に関するブログ記事 (英語) をお読みください。
- Yammer と Office 365 グループの統合: Yammer に SharePoint のチーム サイトとドキュメント ライブラリ、OneNote、Planner、Outlook グループ予定表 (近日リリース予定) が追加され、チームのさらなる生産性向上を支援します。詳しくは、こちらの Yammer に関するブログ記事 (英語) をお読みください。
提供状況: Yammer と Office 365 グループの統合は、今後数か月にわたって Office 365 の商用ユーザーを対象に提供されます。 |
- Skype for Business を更新: あらゆる会話をこれまで以上に容易に Skype for Business に移行できるようになりました。10 月に Skype for Business for Mac の一般提供が開始されます。また、モバイル統合がさらに深化し、2016 年末までには翻訳と書き起こしの機能のプレビュー版が Skype 会議ブロードキャストで提供される予定です。次世代の Skype Room System も新たに登場し、PSTN サービスが提供される地域も拡大されています。これらの新着情報の詳細や提供状況については、Skype for Business に関するブログ記事 (英語) をご覧ください。
- Microsoft StaffHub: Microsoft StaffHub は、管理者がチームの編成、勤務スケジュールの管理、スタッフに関係のある情報の配布を簡単に行える新しいアプリです。デスクフリー ワーカーはモバイル端末を数回タップするだけで、自分のスケジュール情報、重要な連絡事項、決定事項、コンテンツにアクセスできます。詳細については、Microsoft StaffHub (英語) をお読みください。
提供状況: Microsoft StaffHub の Web 版、iOS 版、Android 版のパブリック プレビューが、Office 365 Enterprise K1、E1、E3、E5 の利用者向けに提供されています。 |
Microsoft StaffHub では、管理職は容易に勤務スケジュールを調整でき、デスクフリー ワーカーはシフトを簡単に確認できる
今週は Office チームからたくさんのお知らせがあります。開発者向けの大きなニュースや次期 Office プラットフォームの機能もお伝えしてまいります。詳しくは開発者向けのブログ記事 (英語) をご覧ください。Office 365 の利用者向けの今月の最新情報については、Office 2016、Office for Mac、Office Mobile for Windows、Office for iPhone および Office for iPad、Office for Android のそれぞれのページをご覧ください。Office 365 Home または Personal をご利用のお客様は、ぜひ Office Insider にサインアップして、最新かつ最高クラスの Office 生産性機能をいち早くお試しください。Current Channel と Deferred Channel の商用ユーザーも、先行リリース オプションを通じて完全サポート対象のビルドにいち早くアクセスできます。本日発表された機能が実際にいつ利用できるようになるかについては、こちらのページで詳しく説明されています。
引き続き皆様のご意見やご協力をよろしくお願いいたします。
—Kirk Koenigsbauer
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