(この記事は 2016 年 9 月 26 日に Office Blogs に投稿された記事 Major OneDrive updates at Ignite 2016 include SharePoint Online sync preview の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
OneDrive と SharePoint を組み合わせると、ファイルの保存や編集がより簡単で便利になります。マイクロソフトが最近発表した Office 365 ファイル管理機能を強化するという構想には、組織の内外から簡単にアクセスできるファイル共有機能、OneDrive から SharePoint に直接ファイルをコピーする機能、iOS デバイスからすべての Office 365 ファイルへのモバイル アク セス、Microsoft Graph を活用して関連性のあるファイルや頻繁に使用されているファイルを提示する革新的な [Discover] ビューなどが盛り込まれていました。
この記事では、今回 Ignite にて新たに発表された同期、ブラウザー、モバイル、および IT 関連の新機能をご紹介します。
同期関連では以下の新機能が追加されます。
- SharePoint Online ドキュメント ライブラリと OneDrive 共有フォルダーの同期が可能になりました (プレビュー版提供中)
- OneDrive 同期クライアントに “アクティビティ センター” が追加され、同期やファイル利用の状況をひとめで確認できるようになりました (プレビュー版提供中)
ブラウザー関連では以下の新機能が追加されます。
- リッチなサムネイルとプレビューが新たに 20 種類以上のファイル形式に対応します (2016 年末までにロールアウト)
- OneDrive ブラウザー クライアントから OneDrive と SharePoint Online のファイルにアクセスして編集することが可能になります (2016 年末までにロールアウト)
- 複数のファイルを .zip ファイルに圧縮してまとめてダウンロードできるようになります (2016 年末までにロールアウト)
モバイル関連では次の新機能が追加されます。
- OneDrive のファイルが他のユーザーから共有されたときに iOS および Android デバイスに通知が送信されるようになりました (現在提供中)
- Android の OneDrive アプリから SharePoint Online ファイルへのアクセスが可能になりました (現在提供中)
- Android の OneDrive アプリで複数のページをまとめてスキャンできるようになりました (現在提供中)
- OneDrive にある自分のファイルを見つけて閲覧したユーザー数の履歴を iOS の OneDrive アプリで確認できるようになりました (現在提供中)
IT 関連では次の新機能が追加されます。
- Office 2016 との連携が強化されました (初回リリースにて提供)
- Office 365 での OneDrive ユーザーの管理がよりシンプルで柔軟になりました (初回リリースにて提供)
- Office 365 に OneDrive 専用の管理コンソールが追加されます (2016 年末までにロールアウト)
強力な同期オプションの追加により、外出先でのファイル操作がさらに便利に
これまで、マイクロソフトは Office 365 のあらゆるファイルを OneDrive や SharePoint と同期する新機能の計画をお伝えしてきました。このたび、Windows PC と Mac の両方において、待望の新機能のパブリック プレビュー版がリリースされました。
SharePoint との同期機能は昨年リリースされた OneDrive 同期クライアントに追加される予定で、高水準の信頼性、パフォーマンス、操作性に加え、特定のフォルダーを選択してオフラインで利用できる柔軟性も兼ね備えています。
これにより、Office 365 ファイルをオフラインで簡単に利用できるようになります。従来の同期クライアント (groove.exe) からのアップグレードもシームレスに行われます。
また、共有フォルダーとの同期も今回のプレビュー版に盛り込まれた強力な新機能の 1 つです。組織内の同僚から OneDrive フォルダーが共有された場合は、そのフォルダーをオフラインで利用するかどうかを選択できます。また、同僚から共有されたフォルダーの容量は自身のストレージ使用量には加算されません。
さらに、現在はアクティビティ センターのロールアウトを進めており、同期クライアントの状況をいっそう簡単に把握できるようになる予定です。同期の対象として選択したフォルダー内でファイルの追加、削除、変更などの操作が行われるとアクティビティ センターに操作履歴が表示されるので、最近の操作や現在の同期状況を簡単に把握することができます。
プレビュー版のダウンロードとセットアップの方法については、こちら (英語) をご覧ください。
進化したプレビューとサムネイルでファイルの内容をすばやく確認
OneDrive と Office Online の連携が強化され、どのブラウザーからでもファイルの表示、編集、作成が可能になります。また、ダウンロードせずにブラウザーで直接表示できるファイルの種類が増加します。これにより、ビジネスで広く利用されているファイル形式であれば、リッチなプレビューを確認しながら内容をすばやく把握できるようになります。たとえば、Illustrator (.ai)、Photoshop (.psd)、Encapsulated PostScript (.eps) などの Adobe ファイルを、OneDrive 内で直接プレビューすることができます。また、電子メール (.msg と .eml) や、ほぼすべての写真ファイル (多くの RAW 形式を含む)、ストリーミング動画もサポートされます。さらに、フォルダーの内容をタイル形式で表示した場合には、サポートされている大部分の形式のファイルについて、高解像度のサムネイルが表示されます。ブラウザー関連の機能強化はこれで終わりではなく、今後も新しいファイル形式をサポートし、プレビュー機能をますます強化し、サムネイルの対応をさらに充実させていく予定です。
OneDrive ブラウザー環境を通じてすべての Office 365 ファイルにアクセス
マイクロソフトのミッションは、どこにいても Office 365 ファイルを操作できるようにすることです。間もなく、OneDrive ブラウザーの更新プログラムがリリースされ、SharePoint Online で所有またはフォローしているすべてのファイルとフォルダーにブラウザーからアクセスし、編集や共有を行えるようになります。この更新は数か月以内に初回リリース プログラム参加者の皆様を対象としてロールアウトされ、2017 年第 1 四半期にはすべてのお客様にロールアウトされる予定です。同時に、モバイル アプリのエクスペリエンスや同期機能も統一され、必要な Office 365 ファイルをどこからでも同じ方法で操作することが可能になります。これにより、作業する環境がブラウザーか、Windows PC か、Mac か、マイクロソフト アプリがインストールされたデバイスかを問わず、自身が所有するすべての Office 365 ファイルへのアクセス、共有、編集、共同作業を OneDrive だけで行えるようになります。
複数のファイルを .zip ファイルに圧縮してまとめてダウンロード
お客様からのご要望にお応えして、OneDrive ブラウザー環境に新しい機能をもう 1 つ追加しました。複数のファイルやフォルダーを選択してダウンロードする際、1 つの .zip ファイルに圧縮する機能です。
モバイル通知で最新情報を入手
iOS および Android のユーザー向けに、同僚からファイルが共有されたときに通知を配信する機能が追加されました。通知から直接ファイルを開くこともできます。これにより、同僚と共有している企画書の更新に着手してよいのか、明日のプレゼンテーションの最終レビューを進めてもよいのかといった確認を電子メールで行う必要がなくなります。この通知機能は今後 Android と Windows にも展開され、共有だけでなくその他のファイル操作に関する通知も配信されるようになります。
複数の写真をまとめてスキャン
Android 向けに今年リリースされたスキャン機能では、写真を 1 枚ずつ撮影して PDF に変換し、OneDrive にアップロードすることができます。この機能がさらに進化し、複数の写真をまとめて 1 つの PDF ファイルに変換することが可能になりました。これにより、複数のページにわたる領収書や複数のホワイトボードに書かれた膨大なメモをスキャンして 1 つの PDF にまとめ、OneDrive にアップロードして保存することが可能になります。
この機能は数週間以内に iOS にロールアウトされます。
自身の作業成果の認知度と影響度を把握
OneDrive から SharePoint にファイルをコピーすると (これは最近リリースされた機能です)、チーム メンバー全員がそのファイルを見つけてアクセスすることが可能になります。今年 5 月、マイクロソフトはファイルの認知度を把握する機能の開発に着手したことを発表しましたが、本日より、ファイルを見つけて閲覧したユーザーの数を時系列で表示する機能の提供を iOS 向けに開始しました。これにより、自身の作業成果の影響度を簡単に把握することが可能になります。この機能は今後の更新で Android と Windows にも展開される予定です。
Office 2016 との連携が強化され、他のユーザーとの共同作業がより効率的に
マイクロソフトでは、Microsoft Office と OneDrive をどの環境で使用しているかを問わず同じ作業を行えるよう、真の意味でシームレスな Office との連携に向けて開発を続けています。Office 2016 リボンの右上に現在ファイルを編集しているユーザーが表示され、ここから Skype for Business を起動してリアルタイムで会話することが可能になりました。また、ファイルを共有したり、ファイル操作の履歴を表示したりすることもできます。Office アプリを閉じることなく他のユーザーとファイルを共有し、ファイルに対して現在どのような操作が行われているかを把握できるため、作業効率の大幅な向上が期待できます。
また、[File] タブをクリックしてファイルを開く際に、OneDrive と SharePoint Online で最近アクセスされたファイルの一覧だけでなく、他のユーザーから最近共有されたファイルの一覧も表示されるようになりました。これにより、どのデバイスからでも作業中のすべてのファイルにアクセスできるようになりました。これも、作業効率の向上につながる OneDrive と SharePoint ならではの特筆すべき機能です。
IT プロフェッショナル向けの機能強化により OneDrive のセキュリティと管理性がさらに向上
本日から 2016 年末にかけて、OneDrive のセキュリティと管理性を強化する IT プロフェッショナル向けの新機能が続々リリースされます。Office 365 ユーザー管理コンソールから直接 OneDrive ユーザーを個別に管理する機能もその 1 つです。この管理コンソールでは、ユーザーごとにストレージ クォータや外部共有の設定を行ったり、間違った場所にファイルを保存してしまったユーザーや、間違ったファイルを共有してしまったユーザーをサポートしたりすることが可能です。また、デバイス紛失などの緊急時には、該当するユーザーをすべてのデバイスで OneDrive からサインアウトさせることもできます。さらに、退職した従業員の OneDrive を引き継いで重要なファイルを別の場所にコピーしたり移動したりすることもできます。この機能は今年前半にリリースされた機能をさらに進化させたもので、削除されたユーザーの OneDrive にあるファイルを最長 10 年間保存できるため、重要なファイルが失われる心配がなくなります。マイクロソフトでは、ユーザー別の設定と管理に関連する機能を今後も引き続き強化してまいります。
また、Office 365 管理センターに OneDrive 専用の管理コンソールが追加されて、OneDrive 固有の設定を 1 箇所に表示して構成できるようになるため、従来 PowerShell で行っていた管理作業を Office 365 で行えるようになります。この新機能により、組織での OneDrive の管理がよりシンプルで先進的なものになり、管理作業の効率が向上し、ユーザーからのリクエストに迅速に対応することが可能になります。
シンプルで強力なファイル共有の未来を先取り
Office 365 ユーザーの皆様にご利用いただける、シンプルで強力なファイル共有を実現する数々のイノベーションをお届けします。OneDrive を使えば、個人の OneDrive、SharePoint チーム サイト、Office 365 グループに保存されているすべてのファイルをシンプルかつ一貫した方法で操作することができます。マイクロソフトでは今後も、盤石の同期機能、ブラウザー環境のさらなる充実、高い評価を頂いているモバイル アプリ、Microsoft Office との連携強化を進めていく予定です。なお、これらの成果は Windows PC や Mac を含むすべてのデバイスでご利用いただけるようになる予定です。マイクロソフトでは今後もコンテンツの検索機能や自身の作業成果の影響度を把握するための機能を強化することにより、生産性の向上につながる革新的なインテリジェンスをユーザーの皆様に提供できるように引き続き努めてまいります。これらの新機能を支えるのは、セキュリティ、コンプライアンス、管理性にかかわる Office 365 ならではの機能です。
いますぐ新しい更新プログラムをお試しください。また、ご意見やご要望は マイクロソフト テクニカル コミュニティ (英語) および UserVoice (英語) までお寄せください。今後も OneDrive と SharePoint の機能強化に取り組んでまいりますので、ぜひご期待ください。
※ 本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。