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【パートナー事例】「働きやすい、やりがいのある会社」を創るために~ SCSK が推進する働き方改革と、その一環として取り組む「どこでも WORK」~【11/22 更新】

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住商情報システム株式会社と株式会社CSK の合併によって、2011 年 10 月に発足した SCSK株式会社 (以下、SCSK) 。SCSK ではその発足当初から、働き方改革が積極的に進められています。日本経済新聞社が実施した「人を活かす会社」調査では 2014 年、2015 年と、2 年連続で総合ランキング首位に。また、 2015 年には働き方改革の一環として「どこでも WORK」のトライアルにも着手しています。

それでは SCSK では具体的にどのような取り組みを行い、どのような効果を享受しているのでしょうか。「どこでも WORK」のトライアルに参加している社員の皆様に、お話をお聞きしました。

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写真右より:

SCSK株式会社 ITマネジメント事業部門 基盤インテグレーション事業本部 製造基盤インテグレーション部 ソリューション課長 工藤 梓 氏

SCSK株式会社 ITマネジメント事業部門 基盤インテグレーション事業本部 流通基盤インテグレーション第二部 ソリューション第三課 課長代理 八木 恵子 氏

SCSK株式会社 流通システム事業部門 流通システム第二事業本部 営業部 第三課 アシスタントマネージャ 真次 拓 氏

 

 

SCSKにおける「働き方改革」の背景とこれまでの取り組みについて

 

SCSKでは働き方改革を推進しており、日本経済新聞社が実施した「人を活かす会社」

調査では 2014 年、2015 年と、2 年連続で総合ランキング首位になりました。なぜ、このような取り組みを行っているのか、まずはその背景をお教えください。

 

scsk2工藤 当社では「夢ある未来を、共に創る」を経営理念として掲げており、社員全員の成長が企業の成長につながると考えています。しかし、情報サービス業界では IT 投資活発化の反面、IT 人材不足の傾向が顕著であり、長時間労働で埋め合わせるといった状況が珍しくありません。長時間労働が常態化すれば生産性が低下し、育児や介護との両立が困難になり、社会的イメージも悪化し、人材が集まらないという負のスパイラルに陥ってしまいます。当社の経営理念を実現するには、生産性の高い創造性豊かな仕事を行える環境を整備し、働きやすい、やりがいのある会社にしなければなりません。

 

働き方改革の取り組みは、いつごろからどのように進められてきたのですか。

 

工藤 当社は 2011 10 月に住商情報システムとCSKの合併によって発足した会社ですが、当時の中井戸社長 (現相談役) が社内を見て回ったところ「社員が疲労している」と感じたのが、働き方改革に取り組むきっかけの一つであったと聞いています。当時は昼休みに職場で弁当を食べた後、机に伏せて寝ている社員もおり、これでは創造性を発揮できないと判断した社長が、労働環境の改善、働き方改革を進めるようトップダウンで指示を出したのです。これを受け、まず 2012 4 月にフレックスタイム制を全社員へ拡大適用しました。その 1 年後には残業を減らすための取り組みとして「スマートワーク・チャレンジ20」をスタート。社内では「スマチャレ」と呼ばれているのですが、有給休暇を年間 20 日間取得すること、月間平均残業時間を 20 時間以内に収めることを目指しました。2013 年 10 月には在宅勤務も対象範囲を拡大。2015 年には IT を活用した「どこでも WORK」にも取り組んでおり、2015 年度下期からコーポレート部門が、2016 年 7 月からは私が所属する IT マネジメント事業部門などの一部の事業部門でも、トライアルを始めています。

 

ICT ツールを活用した「どこでもWORK」について

 

どこでも WORK とは、具体的にどのような取り組みですか。

 

工藤 大きく3つの柱があります。第1は ICT をフル活用したリモート ワークです。自席を前提としない働き方によって、在宅やサテライト オフィスでの勤務を可能にします。第 2 はフレキシブル オフィスです。フレックスアドレスと個人ロッカーを導入すると共に、少人数で集中して議論できる「ファミレス席」や、オープンな話し合いができる「オープン ミーティング席」など、多様な働き方が可能なスペースを新設しています。そして、第 3 がペーパー ダイエットです。紙を前提としない働き方によって、ペーパーレス会議を推進します。

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SCSK のオフィスに新設された「オープン ミーティング席 (手前側)」と「ファミレス席 (奥側)」。そのほかの席もフレックス アドレスになっており、プロジェクト単位での共同作業が行いやすいようになっています。

 

現在はトライアル中ということですが、どの程度の規模で行っているのですか。

 

工藤 現時点 (2016 年 10 月) では、コーポレート部門や事業サポート部門で約 530 人、事業部門で約 1,000 人が参加しています。

 

ICT ツールとしては、何を活用していますか。

 

工藤 主なツールは Skype for Business です。これをプライベート クラウドに実装して利用しています。

 

なぜ Skype for Business を選ばれたのでしょうか。

 

工藤 音声品質が高く、スムーズなコミュニケーションが可能だからです。また SCSK では 2013 年から Microsoft Exchange や Microsoft SharePoint などを導入して情報共有基盤を統一していたことも、Skype for Businessをメイン ツールにした理由の 1 つです。マイクロソフトのこれらの製品は、1 万人規模で十分な実績があり、グローバル展開も容易です。また、今後の成長が見込める点も、重要な評価ポイントでした。

 

scsk4真次 営業現場では Microsoft Dynamics CRM Online も、2016 年 5 月から活用しています。XRM ツールで独自のアプリケーションを構築し、営業案件管理や、開発部門とのタスク管理などを行っています。Microsoft Dynamics CRM はカスタマイズ性が高く、直感的に使うことができます。また Microsoft Office との連携も容易で、これまで培ってきた開発技術も活かすことができます。

 

 

 

 

どこでも WORK がもたらすメリットについて

 

どこでも WORK を導入した結果、どのようなメリットが得られていますか。

 

八木 仕事ができる場所の選択肢が広がりました。以前は自席に戻る必要がありましたが、「どこでも WORK」なら自宅でも仕事を進められるため、個人のライフスタイルに合わせて時間の使い方を選べます。たとえば、育児や介護を行う必要がある社員は、その合間の時間を使って仕事ができます。お子さんが保育園で急に発熱したため、早退して迎えに行き、その後自宅でミーティングに参加するといったケースもあります。

 

在宅でも仕事ができるようになると、生産性も高まりますか。

 

八木 担当する業務によって、高まり度合いは大小あるかもしれませんが、確実に高まっていると思います。さらに、社員の意識という点も変化しています。従来は「会社に行くこと」が何よりも大切でしたが、今では「どういう効果を出すか」を重視するようになっています。たとえば、台風などで電車が動かない場合には、とりあえず自宅で仕事をし、電車が動いてから出社すればいい、という考え方が当たり前になりつつあります。その結果、社員満足度や会社への帰属意識も高くなっていると思います。

 

選択肢があるということが重要なのですね。

 

scsk5八木 そうです。たとえば社内で仕事をする場合でも、フレックス アドレスで自由に席を選べるのは、とてもいいことだと思います。私のいる事業部門ではプロジェクト単位で活動することが多いのですが、フレックス アドレスならプロジェクト メンバーが集まって席を確保することも容易です。プロジェクト メンバー以外の人と話をしたい場合でも、Skype for Business を使えばその場で会議に参加できます。会議の一部にだけ参加することも抵抗なくできるので、プロジェクト メンバーとの作業を進めながら、必要なところだけ発言するといったことも可能です。画面共有で資料を共有しながら話ができるのも便利です。

 

プレゼンス機能や IM も活用されていますか。

 

八木 もちろんです。プレゼンス機能で相手の状況に合わせて、コミュニケーション手段を選んでいます。IM も格式張らず手軽に使えるので、最近ではメールよりも使う頻度が高くなっています。

 

Microsoft Dynamics CRM はどのような効果をもたらしていますか。

 

真次 案件全体のステータスやリード件数などの KPI レポートを、簡単に作成できるようになりました。Microsoft Dynamics CRM に蓄積された情報を Microsoft Excel に出力すれば、Excel のテンプレート機能で自動的にまとめられるからです。上司から急に「この情報が欲しい」と言われた場合にも、すぐに対応できます。会議の進め方も変わりました。以前は案件管理台帳を印刷して配布していたのですが、今は Microsoft Dynamics CRM や Excel Online の画面を表示することで、ペーパーレスで会議を進められます。情報のアップデートもその場で行えます。開発部門が会議に参加する場合には、Skype for Businessも活用しています。

 

 

今後の展開と他のパートナーへの提言

 

どこでもWORKを、今後どのように展開していく計画ですか。

 

工藤 11 月からは全社展開に向けた準備を開始し、2017 年 1 月にはリモート ワークとペーパー ダイエット、2017 年 7 月にはフレキシブル オフィスを、一部の社員を除き、全社展開する計画です。

 

一部社員を除き、というのはなぜですか。

 

工藤 当社には、お客様のオフィスに常駐している社員もいるからです。このような社員の働き方をどのようにして改革していくかは、今後の課題だといえます。

 

同じような取り組みを考えているマイクロソフトパートナーは、他にも少なくないと思います。このような企業への提言などはございますか。

 

工藤 働き方改革をどう進めていくべきかは、その企業の業務、勤務環境・形態、抱えている課題、社風などによってもさまざまだと思います。当社の取り組みは、あくまでも SCSK が進めてきた 1 つのモデルであり、この知見がそのまま適用できるとは限りません。しかし、経営層など意思決定者の関与や推進のスピード、ICT 環境の活用における工夫など、他の企業様にも通じることもあると思います。

 

真次 マイクロソフトパートナーの場合には、パートナー制度の特典活用をお奨めします。当社の Microsoft Dynamics CRMも、パートナー制度の特典ライセンスを活用しています。これは、お客様にMicrosoft Dynamics CRMを紹介する時にも効果を発揮します。標準のデモをお見せするだけでなく、当社での活用事例をご紹介した方が現実味があり、お客様のノリもよくなるからです。

 

工藤 昨今、多くの企業において働き方改革を真剣に検討されています。説得力のある提案をするには、やはり自社での実践が欠かせないと思います。他のマイクロソフトパートナーの皆様も、ぜひ自ら取り組み、働き方改革とこれを下支えする ICT 環境の活用ノウハウを蓄積することをお奨めします。

 

ありがとうございました。

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SCSK株式会社

住商情報システムと CSK の合併によって、2011 年 10 月に発足したシステム インテグレーター。システム開発から IT インフラ構築、IT マネジメント、BPO (Business Process Outsourcing) 、IT ハード/ソフト販売まで、ビジネスに求められるすべての IT サービスをフル ラインアップで提供し、ビジネスの新価値創造とグローバル展開をサポートしています。また「働きやすい職場、人を活かす会社」を実現するための働き方改革も積極的に推進。日本経済新聞社が実施した「人を活かす会社」調査では 2014 年、2015年と、2 年連続で総合ランキング首位になっています。

 


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