(この記事は 2017 年 3 月 31 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 Disruptive Technology: Fact or Fiction? の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
毎年エイプリル フールの時期になると、インターネット上は読者の関心を引こうとするイタズラ記事や知名度アップをねらう記事 (英語) で溢れかえります。MPN ブログはいつもどおり真面目にやっていきますが、今回の記事では、社内の私たちでさえ目を疑うような、マイクロソフトのおもしろいプロジェクトや製品をご紹介します。業界では既成概念をくつがえす新しいテクノロジが日々登場しており、パートナーの皆様はそうしたテクノロジについてよくご存じかと思います。しかし、あなたの知っている情報は、はたして本当に事実なのでしょうか。この記事を読んで、確かめてみてください。
ロボットが人間の仕事を奪う
ホント – AI と産業オートメーション
PwC が行った最近の調査 (英語) によれば、米国では約 40% の職種が近い将来ロボットに取って代わられるリスクにさらされています。そのほか、英国は 30%、ドイツ 35%、日本では 21% にとどまっています。業種別に見ると、新しいテクノロジによって自動化できる可能性が高いのは運送業、製造業、小売業です。米国では、定型的な事務作業などの自動化できる仕事に従事している人口が多いため、他の国よりも高いリスクが見込まれます。一方、日本ではファスト フード店で自動販売機が導入されているなど、既に自動化が進んでいることから、比較的リスクが小さいと考えられています。
宇宙飛行士が仮想現実を利用している
ホント – HoloLens
仮想現実 (VR) はゲームや映画だけに使われるものだと思っていませんか。VR の使い道はそれだけではありません。マイクロソフトの HoloLens などのデバイスが登場したことで、創造性を存分に発揮して現実世界の問題に取り組めるようになっています。2015 年、マイクロソフトは NASA と共同で、国際宇宙ステーション (英語) に滞在している宇宙飛行士に仮想アシスタントを届ける「Sidekick」プロジェクトをスタートさせました。この HoloLens には 2 つのモードが搭載されています。まず「リモート エキスパート モード」では、宇宙飛行士の見ているものが映像として地上のオペレーターに送られ、オペレーターは宇宙飛行士にリアルタイムに指示することができます。もう 1 つの「プロシージャ モード」では、作業の手順がホログラフィックのアニメーションで表示されます。
また、スミソニアン博物館でも、未来の宇宙探検家を育てるべく VR を活用しています。同館が進める「Smithsonian X 3D」プロジェクトでは、さまざまな 3D キャプチャ方法を駆使してアポロ 11 号の司令船 (英語) などの代表的な展示物のスキャンを行い、3D データとして公開しました。HoloLens はまだリリースされたばかりではありますが、大きな可能性を秘めていることは明らかです。博物館でこのテクノロジを活用すれば、まったく新しい展示方法を実現し、これまで歴史的な大事業や文化を象徴する品々を目にする機会がなかった世界中の子どもたちにも学びの場を提供できるようになるでしょう。
データを保管するならオンプレミスよりもクラウドが安全
ホント – Office 365、Windows、Azure
データの保管や社内システムのホスティングは、オンプレミスの方が安全。もしまだそう思っているなら、その考えは時代遅れです。Office Blogs の記事 (英語) にも書かれているとおり、オンプレミスのシステムはその性質上、クラウド上のシステムに比べて安全性が確保されていません。その理由として挙げられるのは、サイバー犯罪やデジタル セキュリティ全般の問題が増えつつあることなどです。しかし、たとえ社内のセキュリティ チームや委託先のパートナー企業に包括的に対応してもらえる体制が整っていない企業であっても、Office 365 をはじめとするマイクロソフトのクラウド製品を利用することで、エンタープライズ レベルのセキュリティ機能が利用できます。しかもサブスクリプション ベースの料金体系なのでコスト管理も簡単です。
マイクロソフトにはセキュリティに精通した優秀なスタッフが揃っているため、セキュリティ機能が Office 365 や Azure といった製品の主な特長となっているのは自然な流れだと言えるでしょう。Office 365 セキュリティ チームは最新のサイバー セキュリティ保護機能を搭載できるように、セキュリティ開発ライフサイクルを採用し、トラフィックを調整し、セキュリティ侵害を回避・検出・軽減しています。こうした対応を行うためのリソースを確保できる企業はほとんどありません。さらに Office 365 では 99.9% の稼働率が保証されています (返金制度付き)。このため「クラウド テクノロジは安全」という説は、事実と言ってよいでしょう。
VR デバイスが人間関係を深め、生産性を高める
ホント – HoloLens と Windows 10 対応 VR ヘッドセット
ソーシャル ネットワーキング サイト (SNS) の普及によって人々のコミュニケーション方法が変化したように、VR にも同じ効果が期待 (英語) されています。ただし、だれもが VR の世界に引きこもってしまうといった都市伝説が現実になるわけではありません。VR デバイスは、人とつながり、作業をこなすための強力なツールとなります。HoloLens を使用すれば、たとえば遠くにいる友達とも一緒にゲームを楽しむ (英語) ことができます。Skype for HoloLens では、家族や友達、同僚とビデオ チャットで話しながらホログラムを共有できるので、共同作業に便利です。
また、Windows 10 対応 VR ヘッドセットはスクリーン部分を跳ね上げられるように設計され、マルチタスク機能も備わっているため、Twitter などの使い慣れたアプリと没入型のソフトウェア プログラムやゲームとを簡単にすばやく切り替える (英語) ことができます。VR エクスペリエンスに没頭しながら、よく使う Windows アプリにアクセスできるので、ユーザーは生産性を維持できるのです。
据え置き型ゲーム機はいずれ姿を消す
ウソ – Xbox と Project Scorpio
VR や AR (拡張現実) に対応したデバイスの普及は確かにゲーム業界に影響を与えますが、だからと言って据え置き型ゲーム機が終わりを迎えるとは断定できません。マイクロソフトで Xbox ゲームのマーケティング責任者を務める Aaron Greenberg は昨年、Engadget のインタビュー (英語) において次のように語りました。「Xbox One 用のゲームやアクセサリをお持ちであれば (中略) Project Scorpio でもお使いいただけます。下位互換性やゲーム タイトル数も気になるかと思いますが、Scorpio に買い替えても同じコンテンツをそのまま使えるので、その点についてはユーザーの皆様にアピールしていきたいです。つまりこれは 1 つのエコシステムなのです。Xbox One S と Project Scorpio、どちらをお持ちだとしても決して置き去りにされることはありません」
SF の世界を現実のものにする、この画期的なテクノロジについてどのようにお考えですか。ぜひ皆様のご意見をお聞かせください。