(この記事は 2017 年 7 月31 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 Why Building Strong Partnerships Will Help You Succeed の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
私はこの業界に 25 年近く身を置き、たくさんのことを教わってきましたが、最近になって「昨日の競合他社は今日のパートナー」だということを実感するようになりました。かつてマイクロソフト パートナーとなった企業は、立場上できるだけ多くのマイクロソフト製品に対応することを奨励、期待され、できるだけ多くのバッジを取得しようと目指したものでした。しかし、それが持続可能なビジネス モデルであったのは過去のことです。今日では、実際問題どの程度のマイクロソフト製品をカバーし実績を上げられるのか、自ら判断する必要があるのです。
ビジネス環境の変化
ビジネスのクラウドへの転換については、ここ数年さまざまな議論が交わされています。「事情通」と言われるほどマイクロソフトと良好なパートナー関係を構築している当社も、ビジネス変革のアドバイスに従いました。プロジェクト ベースのサービスからマネージド サービスへの変革、またオンプレミス ソリューションからクラウド ソリューションへの変革は非常に重要なことでした。しかし、正直なところ、そんな私たちでも今日のテクノロジ業界における変化の速さには驚かされています。
クラウド ソリューションが普及し、マイクロソフトや他のベンダーがほぼ毎月のペースでテクノロジの更新プログラムを適用できるようになったことで、パートナー コミュニティはすぐさま最新情報を入手して、遅れをとることがないよう対処しています。エンジニアやコンサルタントがこれらの変化を把握し、テクノロジに関するトレーニングや認定の取得を行う必要があるのはもちろんのこと、知的財産 (IP) も定期的に保守、更新する必要があります。たとえば、テクノロジが変化すれば、実地調査のチェックリスト、構成チェックリスト、ドキュメントのテンプレートなどをすべて更新する必要があります。テクノロジが毎月 (場合によってはそれ以上の頻度で) 変化すると、資料更新のために毎週のように業務時間を費やさなくてはなりません。そうした作業が終わらないままだと、自社のビジネスへの影響を大きく見誤ることにもなります。
これは、セールス チームやマーケティング チームにもかかわることです。と言うのも、販売活動に使用する資料はすべて、彼らが作成しています。これらのチームは、テクノロジの変化を常に把握し、企業パンフレット、提案書のテンプレート、購入契約書などの内容をチェックして、テクノロジの機能や展開方法の変化が反映されていることを確認する必要があります。さらにテクノロジの変化は、エンジニアリング チームや競争力に多大な影響を及ぼす部門だけでなく、企業全体にも広くかかわってきます。
強固な P2P 関係の形成
では、マイクロソフト パートナーはどうすれば良いのでしょうか。当社が出した答えは、対応する製品を絞り、他のパートナーと協力することです。
最近、近隣の主要なマイクロソフト パートナー数社とお会いして、この難問について意見を交わす機会がありました。お話しした全員が当社と同じ解決策に至る結果となり、当社の考えに間違いはなかったと安心しました。その解決策とは、自社が得意とする主要なワークロードを 1 つ、2 つ選んで社内での対応を継続し、残りを外部に委託するというものです。
現在では、当社のサービスを補完するうえで必要な業務を外部委託するために、非常に重要な戦略的パートナーシップを締結しています。当初はパートナーを慎重に選択する必要がありました。これらの企業は当社の名前でサービスを提供することになるうえ、中にはかつての競合他社も含まれていたからです。提携するにあたっては、当社と同レベルの品質を実現しているかを確認する必要がありました。そのために、最初の数回のプロジェクトを注意深く観察し、十分なコミュニケーションが取れていることや、プロジェクト全体を通じて品質の高さが維持されていることを確認しました。こうして信頼を確立し、パートナーとお互いのことを理解するようになってからは、すべてが順調に進みました。
「ATSG とのパートナーシップにより、当社の売り上げは増加し、Windows および System Center を担当するエンジニアの生産性が向上しました。現在は、このパートナーシップを活用して ATSG のマネージド サービスと Office 365 ソリューションのクロスセルを行うことを模索しています。これは、VDX、ATSG、そして共通のお客様にとって Win-Win-Win の関係です」
– VDX、社長兼 CEO、Rob English 氏
こうした関係を最大限に活用する方法は、お互いのビジネスを相互に委託し、揺るぎない Win-Win のビジネス関係を確立することです。当社の場合は、専門外のテクノロジに関するプロジェクトを外部に委託しています。反対に、当社の専門分野である Office 365 やその他のテクノロジ関連のプロジェクトをパートナーから委託されています。
パートナーの発見
私の経験では、信頼はごく短期間のうちに自然と構築されます。まず、約束したことを実行するというのは非常に良い兆候です。たとえば、訪問や電話会議の時間を守ったり、こちらが催促しなくても締め切りまでに担当の作業や依頼をこなしたりといったことは、いずれも信頼に足るパートナーの資質です。
私は通常、マイクロソフトとのつながり (現地支社や本社) や IAMCP に参加しているメンバーなど、信頼できる企業を通じてパートナーを見つけています。有望なパートナーは意外と身近なところにいます。お客様が求めているのは高品質のソリューションであり、それをまとめて提供してくれる企業です。
当社の場合、ソリューションの一部をパートナーから提供することをお客様に伝えても、特に懸念を抱かれることはありません。今日では、そうしたビジネス形態が主流となっています。パートナーが当社と同水準の品質でプロジェクトを遂行できることを請け合えば、お客様は私の判断を信用して了承してくださいます。また、当社のビジネスを保護するために、プロジェクトごとに NDA、パートナーシップ基本契約書、書面による SOW を作成しています。
今後について
この状況は、私がかつて想像した 2017 年の当社の姿とは明らかに異なります。しかし、これはお客様のさまざまなテクノロジ導入を促進し、急速に変化する市場で競争力を維持できるように支援するための方策です。どのパートナーに作業を任せるかを管理し、お客様を最優先に考えれば、「Win-Win-Win」の関係を実現できます。
皆様のビジネス ソリューションに適したパートナーの見つけ方については、マイクロソフト パートナー コミュニティ (英語) でビジネス エキスパートとつながり、詳細をお尋ねください。