(この記事は 2017 年 8 月 30 日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 6 Challenges Partners and Customers Face When Moving to the Cloud の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)
私は今年 2 月、クラウド テクノロジをこよなく愛する仲間たちと共に、ある会社を立ち上げました。私たちが目指しているのは、人々や企業がクラウド移行によってビジネスを変革できるようにお手伝いすることです。約 20 年にわたってテクノロジや金融業界に携わってきた経験上、多くの企業がクラウド ビジネスへの移行に苦心しているのは明らかでした。私はここに新たなクラウド ビジネスの大きなチャンスがあると考え、Go2the.cloud (英語) を立ち上げたのです。
デジタル トランスフォーメーションのただ中にいる企業と間近で仕事をしていると、私たちが直面する課題の 1 つひとつに、明確なソリューションが存在するということがよくわかります。自分たちだけの力では太刀打ちできない問題であっても、マイクロソフト パートナー ネットワークを活用してその専門分野に特化したパートナーを見つけ、共にその問題に取り組むことで解決できます。このデジタル トランスフォーメーションの新時代においては、協働することが成功の鍵となります。
EU のさまざまな企業や組織がクラウド ビジネスへ乗り出すお手伝いを始めてわずか 5 か月後、当社は月間収益を倍増させられるまでに成長しました。現在、当社のお客様はさまざまなマイクロソフトのクラウド サービス (Office 365、Azure、Dynamics、HoloLens など) を活用して問題を解決し、社員の業績を向上させています。
クラウド ビジネスを拡大するチャンスはたくさんありますが、それと同時に、乗り越えなければならない課題も少なくありません。そこで今回の記事では、当社の経験に基づき、さまざまな企業やマイクロソフト パートナーがお客様のクラウド移行を支援する際に直面してきた課題を 6 つご紹介します。
- クラウド ベースのテクノロジに関する知識
多くの企業にとって、クラウドはまだ非常に新しいテクノロジです。クラウドを活用するには、まず社員やビジネスにどのような効果があるのか知る必要があります。古い考え方を捨てるのは、なかなか難しいものです。しかし、時代遅れのやり方を続けていては、クラウド ファーストの世界で成功することはできません。チームのメンバー全員が、技術的な観点から考えるのをやめ、よりビジネスに焦点を当てた考え方でクラウドを捉えなければならないのです。そのためには、あなた自身が率先して最新のクラウド テクノロジについて学ぶ時間を取り、クラウド テクノロジが自社やお客様のビジネス プロセスにどのような効果をもたらすか、いかにチームの作業効率を高められるかを理解しましょう。
- 財務面の変化
従来の IT ビジネスでは、プロジェクトごとに収益を得るのが一般的でした。たとえば、契約金額が 100,000 ユーロのプロジェクトなら、すぐにその全額を請求し、顧客は契約期間中その IT ソリューションを使い続けることになります。これに対し、多くのクラウド サービスには経常収益モデルが採用されています。パートナーにとっては財務面の安定性が確保されるため、長期的に見ればメリットがあるのですが、短期的にはどうしてもキャッシュフローが悪くなりがちです。しかしそれ以上に注意したいのは、経常収益が得られるようになると、社内の意識が新規ビジネスを軽視し、持続的なビジネスを重視する方向へと変わってしまうことです。これは、IT サービス プロバイダーが必ず直面する課題として想定しておきましょう。
- 請求とプロビジョニングの自動化
多くのクラウド テクノロジは、月ごとにエンドユーザーへの請求を行い、顧客はサービスのスケールアップまたはスケールダウンを毎月選択できるようになっています。マイクロソフトからは自動請求や自動プロビジョニングのツールが提供されていないものの、サードパーティー製の便利なソリューションがいくつも公開されています。その中から適切なものを選択することは CSP パートナーにとっては難しいかもしれませんが、私は最適なソリューションを判断するとき、マイクロソフト パートナー コミュニティでベストプラクティスを集めて参考にしています。当社ではその経験を活かし、コンサルティング サービスとして最適なツールのご提案を行うようになりました。
- 製品ポートフォリオの管理
今日、クラウド ソリューションには多様な選択肢が存在します。Azure Marketplace から Office 365 まで、マイクロソフトだけでも 500 以上ものクラウド ソリューションが展開されています。製品の選択肢がここまで複雑なことを考えると、顧客のニーズに合わせた、シンプルでわかりやすい製品ポートフォリオが必要になってきます。市場の中で抜きんでた存在になるためには、特徴のある製品ポートフォリオを作成するのがお勧めです。
- 長期顧客の確保
クラウド ビジネスでは、すばやく簡単にスケールアップできる特性上、顧客にスケールアップを促す機会が毎月巡ってきます。これはすばらしい利点ですが、言い換えれば、顧客が解約したり他社のサービスへ乗り換えたりする危機も毎月訪れるということです。このため、長期顧客をつかむことが欠かせません。そのためには、他社との差別化を行い、競合他社にはまねできないやり方で価値を提供する必要があります。
- サービスの管理
現代の顧客が求めているのは、セルフサービスや、サービスに関する要望へのリアルタイムの対応です。適切なツールがあれば、こうしたサービス管理業務の大部分を自動化できます。しかしやはり、最適なツールを見つけ出すのは至難の業となるでしょう。そこで頼りになるのが、マイクロソフト パートナーの皆様です。
私は常々、クラウド テクノロジが私たちのビジネスのやり方にどのような変化をもたらすかについて考えています。今回お話ししたクラウド ビジネスへの移行における課題は、乗り越えられないほど高い壁に見えるかもしれませんが、どの問題にもソリューションは必ず存在しますのでご安心ください。事実、当社はこれまでお客様やマイクロソフト パートナー様がこれらの課題を突破し、クラウドの力ですばらしいビジネス トランスフォーメーションを実現するためのお手伝いをし続けています。
クラウド ビジネスへの移行を容易にする方法をもっと知りたい方は、ぜひマイクロソフト パートナー コミュニティ (英語) にご参加ください。