3 年ほど前にコミュニケーションツールの使い分けの記事を書いてから少し時間が経ち、Teams といった新しいツールの登場や Skype for Business と Teams のロードマップ上の統合の発表などで状況が大きく変わってきました。Office 365 に含まれるグループコミュニケーションツールには、Skype、Skype for Business、Yammer、Teams、SharePoint 系のツール、Exchange パブリックフォルダーなど様々なものがありますが、ここで改めてツールの種類や最新トレンド、そして使い分けについての話をまとめてみたいと思います。
グループコミュニケーションツールのトレンドと歴史
組織内外のグループコミュニケーションを支えるIT基盤として、昔から様々な手段が考案されてきました。最も昔から存在するメールや掲示板から、2000年代に入ってはやったインスタントメッセージ、2000年代後半に台頭してきたソーシャルネットワークサービス (SNS)、2010 年代になってから登場したビジネス向けチャットサービスなど、時代によってトレンドは変化してきました。マイクロソフトでも、それぞれのテクノロジーが登場してからほどなくして自社の製品/サービスを開発、市場に登場してきました。それらの機能は、すべて組織向けのクラウドサービスで Office 365 に取り込まれています。以下の図でそれぞれのテクノロジーのおおまかな歴史を示します。(グレーはテクノロジーが登場した年代、ブルーはマイクロソフトが製品/サービスを投入した年代を示しています。)
* サイトメールボックスは2017年に廃止予定です。
1990 年代後半: インターネットの普及によるメールの一般化。黎明期からあった掲示板という考え方が社内ポータルに発展。(Exchange パブリックフォルダー → SharePoint ポータル)
2000 年代前半: インスタントメッセンジャーの登場と人気上昇。 (Exchange 2000 Instant Messaging / MSN Messenger → Live Communications Server / Windows Messenger → Office Communications Server / Office Communicator → Lync → Skype for Business)
2000 年代後半: ソーシャルネットワーク、ミニブログの登場。ビジネスの領域でも人気上昇。 (SharePoint ニュースフィード、Yammer)
2010 年代: ビジネス向けグループチャットの人気上昇。(Teams)
Skypeとは?
Skype は現在マイクロソフトで一般消費者向けに提供している無料インスタントメッセージサービスのブランドです。もともとは2003年にルクセンブルグのベンチャー企業が開発したサービスを 2011 年にマイクロソフトが買収したものです。テキストベースのインスタントメッセージをやり取りできるだけでなく、グループでテキストメッセージ、ビデオ会議、画面共有や共同作業などを行うことができ、一般公衆回線との接続 (有料)や Skype 翻訳などの先進的な機能も利用できます。
2011 年に Skype を買収するまでは、マイクロソフトは Windows 95 の頃から NetMeeting と呼ばれるビデオ会議サービスや、1999 年から MSN Messenger と呼ばれるインスタントメッセージサービスを開始していました。その後、Windows Messenger、Windows Live Messenger 等と名前を変え、最終的に Skype ブランドに統合されています。サービスのアーキテクチャやブランドは様々な形で変遷してきました。現在は月間 3 億人以上のアクティブユーザーと、毎日 30 億分に相当する音声通話が Skype グローバルネットワーク上で行われています。
関連項目
Skype for Business とは?
Skype for Business は現在マイクロソフトで組織向けに提供しているインスタントメッセージ/ビデオ会議のクラウドサービスおよびオンプレミスのクライアント/サーバー型ソフトウェアのブランドです。当初は 2000 年に Exchange Server の拡張機能 Exchange 2000 Instant Messaging Service としてオンプレミスで登場し、オンプレミスの Live Communications Server 2003/2005 およびクラウドサービスの Live Meeting 2003/2005、Office Communications Server 2007 および Live Meeting 2007、そして Lync 2010/2013 および Lync Online と名前を変え、2015 年に Skype for Business という名称に変更されました。
組織向けインスタントメッセージ/ビデオ会議は、コミュニケーションを開始するユーザーが、その場で指定、もしくは参加したいユーザーがリンクをクリックすることで、参加するユーザーがアドホック (その場限り、場当たり的に) に指定される、かつ会話本体は後から参照できない (揮発性、ただしOutlook に会話履歴のみは残る、レコーディングで会議を残すことはできる)という特徴があります。
(一般消費者向けサービスと組織向けサービスを使い分ける理由については「2017年版: 一般消費者向けクラウドと組織向けクラウドの本質的な違い」を参照ください。)
Skype for Business は、組織内外のメンバーとのインスタントメッセージ、ビデオ会議、共同作業のインターフェイスにとどまらず、一般公衆回線との接続や、最大 10,000 人の大勢へのブロードキャスト機能、Polycom CX8000, CX5500 や Surface Hub などの最先端デバイスとの連携、会議室を予約するなど仕事の支援をしてくれる Bot とのやり取りや、労働時間の見える化など、組織での仕事に必要なインテリジェントな機能のインターフェイスも提供します。
クラウドサービスは Office 365 の一部として提供されており、単体プラン (プラン 1 および 2)と、スイートプラン (Office 365 Business Essential/Business Premium および Enterprise E1 以上のプラン) として提供されています。一般公衆回線との接続サービスもアドオンとして提供されています。
サービスのアーキテクチャやブランドは一般消費者向けと同様、別系統で様々な形で変遷してきました。9 月末の Microsoft Ignite 2017 にて、Skype for Business が一般消費者向けの Skype ベースのバックエンドを持ち Teams 上に実装されている、または将来実装予定のテキストメッセージ/ビデオ会議機能に統合されることが発表され、10 月末に2018 年前半までのロードマップ第一弾が発表されました。
関連項目
Yammer とは?
Yammer は 2008 年にサービスを開始した組織向け SNS で、2012 年にマイクロソフトが買収し、Office 365 の一部として現在サービスを提供しています。組織内外のメンバーとのやり取りが可能ですが、Facebook、Twitter、LinkedIn などの、不特定多数に情報が公開される一般消費者向け SNS と異なり、組織ドメインの概念が導入されており、管理者によってコミュニケーションの範囲をコントロールすることができます。組織全体、またはあらかじめ決められたグループのユーザー全員にメッセージを送信したり情報を共有したりすることができます。SNS はあまりリアルタイム性を要求しない、「ゆるい」コミュニケーションに適しています。
Yammer を使っていないユーザーに対しては、投稿内容をメールで通知したり、メールを特定のアドレスに送信すると Yammer に投稿される (※ 日本語未対応) 機能があります。
当初はフリーミアムモデルを採用していましたが、単体プラン (Yammer Basic、Yammer Enterprise) が 2017 年頭に提供終了となり、現在は Office 365 スイートプラン (F1, E1, Business Essential 以上) の一部として利用可能です。
関連項目
Teams とは?
Microsoft Teams は、Office 365 に含まれるチームワーク用のハブで、チームが結束して成果をあげるのに必要な人、コンテンツ、ツールのすべてがここに集まります。ユーザーがメンションされると即時にデスクトップ/モバイルアプリに通知され、リアルタイム性の高い、チャット中心のチームでの共同作業を行うことが可能です。
Microsoft Teams では、チャットベースの情報共有スレッドが利用でき、予定表の空き時間情報参照や定期的な会議の設定、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、SharePoint、Power BI などの Office 365 のアプリケーションやサービスの組み込み、グループでの音声/ビデオ会議の利用や、アプリによる拡張機能も備えています。
2016 年 11 月よりプレビューが開始され、2017 年 3 月からすべての Office 365 スイートサブスクリプション (Business Essential/F1/E1 以上) で利用ができるようになりました。Office 365 の中ではいま一番ホットなグループコミュニケーションツールです。
Office 365 の他の共同作業機能と同様、Webやモバイルアプリが提供されると同時に、Windows 7 以上/Mac 向けに専用のデスクトップアプリも提供されています。
また、最も新しい世代のツールであることもあり、テクノロジーとしては後述の Office 365 Groups の仕組みをフルに使った構造となっています。
関連項目
Office 365 Groups とは?
Office 365 には Groups (グループ) という概念が導入され、Exchange Online と SharePoint Online が含まれる Office 365 サブスクリプションで動作します。Outlook、Outlook on the web、Outlook Mobile、SharePoint、Planner、Teams などのさまざまなツールで共同作業用の "グループ" を作成する際に Office 365 グループを作成できます。
グループは作成時にパブリックにするかプライベートにするかを選択することができ、外部ユーザーの招待も可能です。前述の Office 365 の特定の共同作業用グループに紐づき、特定のリソースセットを生成します。そういう意味では、ほかの機能と比較すると、ひとつ上位の概念のように振る舞い、Office 365 のさまざまな共同作業機能を連携させる仕組みとして、異なる機能を使っているユーザー同士をつなぐ役割を果たしている、と言えるでしょう。(下図を参照)
Office 365 グループに対応したいずれかのアプリで共同作業用のグループを作成すると、バックエンドで Office 365 グループが作成され、Azure Active Directory と連動して専用の ID、リソース URL と所有者、メンバーの作成、それに付随する権限設定が行われます。作成された ID をベースに共有メールボックス、OneNote、予定表、サイト、Plannerなどが生成され、共通のアクセス権を使ってさまざまなOffice 365 アプリケーションから同一のグループを参照した共同作業を行うことができるようになります。加えて、復元機能、保持ポリシー、ラベル管理/データの分類、アクティビティレポートなど、共同作業の管理に欠かせない高度な機能も共通して利用できるようになります。
詳しくは記事「Office 365 グループの概要」および「Office 365 グループの 2017 年 4 月の新機能」を参照してください。
その他のコミュニケーションツールの概要
Office 365 にはほかにも共同作業用の機能があります。そのほとんどは古いプラットフォームから引き継がれていたり、最新の仕様に対応していないレガシー機能ですので、新規の利用は推奨されません。
- Exchange パブリックフォルダー: Exchange 4.0 の頃からある階層的に整理されたグループメールの機能。通常のメールと同様に Outlook などのクライアントからアクセスが可能。ただし、データアーカイブの機能やチェックイン/チェックアウト、変更の自動通知、バージョン管理などの文書共有と共同作業に必要な機能は搭載していなかったため、一時期、SharePoint の登場に伴い廃止される予定でしたが、Exchange 2013 から再びサポートする動きが加速し、Office 365 でも 2013 世代から利用可能となりました。
- サイトメールボックス: Exchange 2013 および SharePoint 2013 の両方を利用する場合の統合機能として Office 365 にも登場、Exchange のメールボックスと SharePoint サイトを紐づけ共有メールを保持できる機能。2017 年の廃止が予定されています。
- SharePoint コミュニティサイト: SharePoint 2013 および Office 365 に導入された機能で、コミュニティ メンバーが共通の関心のあるトピックについて意見を交換する場所です。メンバーは、カテゴリを検索したり、ディスカッションを人気の高い順で並び替えたり、ベスト リプライの投稿のみを表示したりして、内容を閲覧し、関連性の高いコンテンツを見つけることができます。メンバーは、コミュニティに参加することで評価ポイントを獲得します。コミュニティには、ディスカッションを始める、ディスカッションに返信する、投稿を「いいね!」と評価する、ベスト リプライを指定するなどして参加します。
- SharePoint Newsfeed: SharePoint 2013 および Office 365 に導入された機能で、外出中でも組織内でのソーシャル ネットワークにつながることができます。フォローしている SharePoint サイト、ドキュメント、人の更新情報を簡単にキャッチしたり、自分のフィードへ簡単に移動し、スレッドでの情報交換を行なうことができます。ブラウザーからのアクセスのほかに、モバイルアプリも提供されているため、移動中、外出中もソーシャル ネットワークにつながることができます。
組織内外でのコミュニケーションと共同作業の範囲と緊急性からの分類
いままで Office 365 に含まれる様々なグループコミュニケーションツールを紹介してきました。ここからは使い分けの話に移りますが、まず、組織内でのコミュニケーションについて「共有範囲」「緊急性」「現場への管理権限移譲」「固定/アドホックメンバー」という観点で分類してみたいと思います。
コミュニケーションの共有範囲については、組織外、組織全体、事業拠点、チーム、個人での共有により利用すべきツールが異なってきます。また、緊急性の面で見ると、緊急度が高い内容はリアルタイム性が求められます。ちなみに、「共有範囲」と「緊急性」は相反する関係にあり、「共有範囲が広く」「緊急性が高い」コミュニケーションや、「共有範囲が狭く」「緊急性が低い」コミュニケーションをカバーするツールはないことに注意してください。
たとえば、メールはビジネスの世界では帰ってくるまでの期待値が 4 時間というデータもありますので、緊急を要するコミュニケーションには適していません。このような場合は、インスタントメッセージやグループチャットが適しています。
Teams は固定メンバーで即時性のあるコミュニケーションを行い、共同作業をどんどん進めていく場合に適しており、たとえばヘルプデスクや開発チーム内でのプロジェクトのコミュニケーションなどで多用されます。
Office 365 では、これらの 4 つの観点をもとにいくつかの異なるツールが用意されています。一見同じような用途に見えても違う機能として提供されているものがあるのはこのような理由もあります。利用するツールは「グループ」の目的やメンバーによって使い分けをすることができます。以下の表を参考にしてください。
比較項目 | 共有範囲 | 緊急性 | 現場への管理権限移譲 | 固定/アドホックメンバー |
ポータルサイト (SharePoint) |
組織全体 | 極めて低い | なし | 固定 |
チームサイト/コミュニティ (SharePoint) |
事業拠点、チーム | 極めて低い | 許可可能 | 固定 |
個人用ストレージ、予定 (Exchange, OneDrive) |
個人および特定の許可されたメンバー | 極めて低い | 許可可能 | アドホック |
メール (Exchange) |
組織内外の不特定多数 | 低い | なし | アドホック |
外部ネットワーク SNS (Yammer) |
組織外 | 低い | 許可可能 | 固定 |
組織ネットワーク (Yammer, Newsfeed) |
組織全体 | 低い | 許可可能 | 固定 |
インスタントメッセージ (Skype for Business) |
組織全体 (組織外の特定組織のメンバーも許可可能) |
高い (同期) | なし | アドホック |
インスタントメッセージ (Skype) |
組織外の任意メンバー | 高い (同期) | 制御不能 | アドホック |
電話 (Skype for Business) |
組織全体 (公衆回線接続も可能) |
高い (同期) | なし | アドホック |
グループチャット (Teams) |
チーム (組織外の任意メンバーも許可可能) | 高い (同期/非同期) | 許可可能 | 固定 |
オンライン会議 (Skype for Business, Teams) |
組織全体 (組織外の任意メンバーも許可可能) | 高い (同期) | なし | アドホック |
そして、これらのツールは、Skype for Business のプレゼンス情報を見ながら適切なツールを使い分けていくことが想定されています。Skype for Business のプレゼンス情報は、Office 365 のさまざまなツールやモバイルアプリなど、あらゆる場所で見ることができるようになっており、かつステータスがツールの利用に連動するので、相手ユーザーの状態を把握することが可能です。そのため、相手ユーザーのプレゼンス情報を見て、メールを送るか電話をするか、テキストメッセージを送るかを判断することが可能になります。 これにより、相手の状態にあった適切なコミュニケーション手法を選択することができ、迅速なコミュニケーションを行うことができるようになります。
SNS: コミュニティサイト、Newsfeed、Yammer はどれを使うべきか
それでは、コミュニケーション ツールについての全体像や利用方法がなんとなくわかったところで、本題に戻りましょう。組織向け SNS ですが、Office 365 では、SharePoint コミュニティ サイト、SharePoint Newsfeed、Yammer の 3 種類が存在します。これらは同じようなポジショニングの機能ですが、どれを使えばいいのか疑問に思うかもしれません。
この場合は迷わず「Yammer」を選択するようにしてください。SharePoint コミュニティ サイトや SharePoint Newsfeed が初期の SharePoint 2013 に実装された後、Yammer が買収されて Office 365 に統合され、今後は Yammer の機能を強化していくことが宣言されていますので、Yammer を利用することを強くお勧めしています。コミュニティ サイトについても、「組織内外のユーザー数がそれなりにいる場合の合同プロジェクトなどで 1 サイトのみを使い情報共有する場合」くらいのかなり限定された状況を除いては Yammer を利用することをお勧めします。Yammer にはグループを区切ってそこに参加するメンバーにのみ情報共有を制限するような機能もあります。また、外部ユーザーを参加させる機能もあります。
パブリックフォルダー、サイトメールボックス、Yammer、グループの違いは?
この 4 つの機能も似た機能を提供します。ただし、Exchange パブリックフォルダーは主に旧バージョンの Exchange オンプレミスをご利用のユーザーからの移行でのみ使われること、サイトメールボックスは廃止予定であることから、どちらも新規に利用開始することは推奨されません。
Yammer と Office 365 Groups の関係ですが、前述のように Groups は Office 365 の様々な情報共有グループと Azure Active Directory ID を通して表裏一体の関係となっています。つまり、Yammer グループを利用するのであれば、ユーザーインターフェイスの多少の違いはあるものの、Office 365 Groups を使うのと同じことになります。Yammer の個性が現れるところは、社内全体への「ゆるい」情報共有を行いたい場合、および外部ネットワークを作成して情報共有を行いたい場合になります。これらの場合は Yammer を利用することになります。また、グループワークでもスレッドによるテキストメッセージのやり取りにはYammerのインターフェイスを使うことになります。それ以外のケース (単にファイルや OneNote、サイトなどを使いたい場合) はユーザーインターフェイスの好みによってどちらを使っても構いません。
Skype for Business、Teams、Yammer の違いは?
最後に、Skype for Business ではソーシャルはできないの?と聞かれることもたまにあります。これは、いままでの説明を読んでいただいていればもうお分かりですね?Skype for Business は複数者間の会話スレッドを立ち上げることができるので、LINE のような感覚でコミュニケーションできるのですが、これは時間的にゆるいつながりというよりは即時性、リアルタイム性を求めているため、コミュニケーションが始まったら指定されたメンバーはコミュニケーションが終わるまでは時間拘束されます。Yammer の場合は、誰かが好きな時間にスレッドに書き込んでおけば、それを違う時間に別のメンバーが見てコメントを付ける、といった使い方で、即時性が求められません。(また、特定のメンバーが参加してくる保証もありません) また、Yammer にもテキストメッセージやプレゼンス情報が独自に実装されていますが、Skype for Business を使っておくことをお勧めします。
また、Skype for Business の機能が Teams に統合予定であることが発表されています。両者のコミュニケーションスタイルで大きな違いは、グループをアドホックに設定するのか、あらかじめ設定されたグループでコミュニケーションするのか、と、コミュニケーションが揮発的か永続的か、ということです。現在のところは、アドホックであれば Skype for Business、あらかじめ決めたグループで継続的なコミュニケーションを行うなら Teams を使っておくことをお勧めします。Teams でもアプリの左側の [チャット] アイコンからアドホックにメンバーを追加してチャットや音声/ビデオ会議を行ったり、[会議] アイコンから、あらかじめ予定を設定して指定したメンバーのみを招待するプライベート会議を行うことは可能ですが、Skype for Business のほうが現状、機能が豊富です。
比較項目 | Skype for Business | Teams | |
基本概念 | |||
共有範囲 | 組織全体 (組織外の特定組織のメンバーも許可可能) | チーム (組織外の任意メンバーも許可可能) | |
緊急性 | 高い (同期) | 高い (同期/非同期) | |
現場への管理権限移譲 | なし | 許可可能 (チーム/チャンネルの作成など) | |
メンバーは固定? アドホック? | アドホック | 固定。掲示板に近い。 (アドホックも可能) | |
会話の記憶 | 揮発性 (Exchange と Outlook を使っている場合のみ、設定次第で会話履歴に残る) | 永続性 (ホストサーバー側に残る) | |
必要ライセンス | Skype for Business 単体または Office 365 スイート (BE, E1, F1 以上) | Office 365 スイート(BE, E1, F1 以上) | |
接続クライアント | Win/Mac アプリ、スマホアプリ、Web | Win/Mac アプリ、スマホアプリ、Web | |
基本機能 | |||
テキストメッセージ | あり (インスタントメッセージ) | あり (チャット) | |
プレゼンス (在席情報) | あり (Office 365アプリと統合) | あり | |
アドホック音声通話/ビデオ会議 | あり | あり (グループメンバーが自発的参加可能) | |
予約された音声通話/ビデオ会議 | あり | あり | |
会話機能の詳細 | |||
会話のスレッド | なし | あり | |
過去会話の検索 | なし (Outlook 会話履歴) | あり | |
一般公衆回線との接続 | アドオンで可能 | なし | |
画面共有 | あり | あり | |
アプリ共有 | あり | なし | |
ファイル共有 | アドホックな転送 | あり | |
会議予約のOutlook アドオン | あり | あり | |
保留、転送、ボイスメール送受信 | あり | なし | |
Skype Room System やサードパーティとの相互運用性 | あり | なし | |
会議のレコーディング | あり | なし |
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