こんにちは。
今回は、Azure 仮想マシン上に Azure Backup (MARS) エージェント をインストールいただき、バックアップをご利用いただく際のキャッシュ フォルダー設定先の注意点をお話します。
まず、Azure 仮想マシン上に Azure Backup (MARS) エージェント (2017年11月14日時点での最新バーション : 2.0.9088.0 ) をインストールする際、以下のように「If you are running the agent on an Azure IaaS VM, it is strongly recommended to have the Cache location on a non-OS disk. (Azure 仮想マシン上で MARS エージェントを実行している場合、 OSディスク以外にキャッシュ フォルダーを置くことを推奨いたします。)」注意事項が表示されます。
この表記の理由として、OS ディスク (デフォルトで C : ドライブ) には様々なユーザー情報が保存されている領域となるため、空き容量に余裕がない場合がございます。また OS ディスク領域が逼迫することで OS 動作に影響を与える可能性がある為です。
その場合、MARS エージェント バックアップにてスナップショットを取得する際には、一時的にデータを保存するためのキャッシュ フォルダーが使用されますが、キャッシュ フォルダに十分な容量がない場合には、スナップショットの作成が出来ず、バックアップが失敗する可能性がございます。
※キャッシュ フォルダーの最小サイズ要件はバックアップするデータ容量の 5 % です。
※参考情報※
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/backup/backup-azure-file-folder-backup-faq
本ブログは、上述のようなキャッシュ フォルダーの設定先によるバックアップ失敗を回避するための注意事項となります。
従いまして、 Azure 仮想マシン上で MARS エージェント バックアップをご利用いただく際は、インストール時にキャッシュ フォルダーを別のデータ領域 (E : ドライブなど) に設定いただくようお願いいたします。
※ 尚、D : (Temporary) ドライブは、ページ ファイル等で使用される一時領域であり、再起動などで自動でファイルが削除される可能性があるドライブですので、Temporary ドライブへ設定しないようご注意ください。
また、既に MARS エージェントをご利用いただき、C : ドライブ配下にキャッシュ フォルダーを設定いただいている場合は、以下の手順にて設定変更ください。
■キャッシュ フォルダーの移動方法
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1. タスク マネージャー (Ctrl + Shift + Esc キー) を起動し、[サービス] タグの「obengine (Microsoft Azure Recovery Services Agent)」を停止します。
2. 現在のキャッシュ フォルダー (C:Program FilesMicrosoft Azure Recovery Services AgentScratch) のバックアップ対象ファイルやフォルダーを十分な空き容量のあるスクラッチ フォルダーへコピーします。(例えば E: 配下のキャッシュ フォルダーにコピー)
3. レジストリ エディター (スタートボタン + R キーし、「regedit」と入力) を起動し、以下 2 箇所の設定を手順 2 と同じ内容に設定変更します。
・レジストリ パス
: HKEY_LOCAL_MACHINESOFTWAREMicrosoftWindows Azure BackupConfig
: HKEY_LOCAL_MACHINESOFTWAREMicrosoftWindows Azure BackupConfigCloudBackupProvider
・レジストリ キー
: ScratchLocation
4.「obengine」を起動します。
※参考情報※
・バックアップ
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/backup/backup-azure-file-folder-backup-faq#backup