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IoT による予知保全でビジネスを変革【3/17 更新】

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(この記事は2017 年12月15日にMicrosoft Partner Network blog に掲載された記事 How IoT-enabled predictive maintenance can transform your business の翻訳です。最新情報についてはリンク元のページをご参照ください。)

 

モノのインターネット (IoT) は、ヘルスケア、エネルギー、小売といったあらゆる業界のビジネスを変革しており、そこで生まれるビジネス チャンスは拡大の一途をたどっています。事実、製造業界における IoT ソリューションへの投資額は、2020 年に 700 億ドル (英語) に達すると見られ、これは 2015 年の支出の 2 倍以上に上ります。

 

予知保全とは

設備が故障する前やメンテナンスの問題が起きる前にそのことを通知してもらえたら、どんなに良いかと思ったことはありませんか? IoT によって、そうした「予知保全」が可能になりました。予知保全とは、環境、プロセス、リソース関連のデータを収集し、設備が故障する前に AI と機械学習によってメンテナンスや交換が必要な時期を分析、予測するシステムのことです。

予知保全により、製造会社は設備やプロセスの正常性、そして製造ラインを流れる製品の品質までリアルタイムに把握できるようになりました。センサーが部品を監視し、そのデータがリアルタイムにダッシュボードに表示されるため、注意が必要な場合は、そのための措置の内容とアラートが自動で送信されます。

また、製品の部品がスケジュールどおりに工場に到達しているかも簡単に追跡できます。ルールを設定することで、オンデマンド、あるいはノイズや振動といった環境データに基づいて、設備の使用と工場管理を最適化できます。また、パターン ベースの異常検知機能を使用して、品質上の問題が発生しそうな時期や場所を事前に予測することもできます。

 

IoT による予知保全のメリット

IoT と予知保全を導入している製造会社では、ニーズや有用性の面でさまざまなメリットを得ています。たとえば次のようなメリットが考えられます。

  • 計画外のダウンタイムの削減: コストがかさむ設備の故障や計画外のダウンタイムを回避できます。問題に先回りで対処することで、運用に深刻な影響が及ぶのを防ぎます。
  • 品質の向上: 機械学習やメンテナンスが必要な箇所を早期検知する機能を利用して、製品品質やプロセスを向上させ、顧客満足度を高めることができます。
  • コストの削減: メンテナンス コストを抑え、設備の寿命を伸ばせます。
  • 効率性と生産性の向上: プロセスを効率化させ、資産を有効活用し、生産性を高められるようになります。

 

IoT による予知保全を導入したお客様の事例

IoT による予知保全によってビジネスを変革した例として、インドに複数の工場を構える鉄鋼製造会社の事例をご紹介します。同社が運営する各工場にはアーク炉が複数あり、水冷パネルで温度管理を行っていますが、パネル内の水漏れが原因で、安全性の問題と生産ロスが発生していました。この問題に対処するために、同社はマイクロソフト パートナーの Happiest Minds (英語) と提携し、Azure ベースの IoT ソリューションを構築しました。このソリューションは、パネルをリモートで監視し、異常を検知した場合に根本原因の分析を行うものです。こうした予知保全の導入により、故障や生産の遅れを工場全体で防止できたと同時に、従業員の安全も確保されました。

また、別の事例として、航空機エンジン製造会社のロールス・ロイスでは、Azure IoT プラットフォーム上に予知保全システムを構築した結果、エンジンのメンテナンスの問題を起因とするフライトの遅延を回避し、それに伴うコストを削減できました。同社のエンジンは世界中で 13,000 基稼働しており、その 1 つひとつに数千個のセンサーが搭載されています。そのセンサーがエンジン部品を監視し、燃料効率、エンジン性能、運行効率などに関する詳細なデータを送信します。そうしたデータから得られるインサイトによって、同社はメンテナンスの必要性を予測し、想定外の遅延を回避して、コストを抑えています。

 


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