日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。
本ブログでは、以下の現象発生条件に該当する特定のメールを保存または送信時にエラーが発生し、保存、送信ができない現象についてご説明します。
現象発生条件
以下のすべての条件を満たす場合に発生します。
・Windows 版 Outlook を Exchange Server にオンライン モードで接続して利用している環境
・添付ファイルまたは本文に埋め込み画像があり、ファイル名に半角カタカナが利用されている場合
・[下書き] フォルダーに保存したアイテムを開いて操作
現象
[下書き] フォルダーに保存されたアイテムを開き、編集後に [保存] または [送信] を実行すると以下のエラーが発生します。
「クライアントの処理が失敗しました。」とエラーが表示されます。
「このアイテムを指定されたフォルダーに保存できません。フォルダーが削除または移動されたか、またはフォルダーにアクセス権がないことが原因として考えられます。アイテムの既定のフォルダーにコピーを保存しますか?」とエラーが表示されます。
原因
Outlook および Exchange Server は、それぞれでメールなどのアイテムの保存、送信時に、アイテム内で使用している文字列から文字コードを決定するための自動判定処理が実装されています。
Outlook で任意に指定および自動判定された文字コードと Exchange Server が自動判定した文字コードが異なる場合、アイテムの文字コードを変換するための書き込み処理が発生しますが、この動作の一連の処理に問題があり、エラーが発生します。
例:
日本語版 Outlook の既定の文字コード設定は日本語 (JIS) ですが、その場合、アイテムに半角カタカナの文字を含む時の既定の文字コードの自動判定はそれぞれ以下となり、文字コードを変換するための書き込み処理が発生します。
- Outlook - 日本語 (JIS) Windows コードページ 50220
- Exchange Server -日本語 (JIS 1 バイト カタカナ可) Windows コードページ50222
Outlook クライアントは半角カタカナが含まれていても、日本語 (JIS) Windows コードページ 50220 として判定しますが、半角カタカナは日本語 (JIS) Windows コードページ 50220 には含まれていません。
そのため、Exchange Server では、データに半角カタカナが含まれている場合には、コードページの自動検出の際に異なるコードページ処理が動作します。
※半角カタカナが含まれている場合でも、アイテムで使用されている他の文字列により別のコードページとして自動判定される場合もあります。
対処方法
(1) 一度リッチ テキスト形式に保存する (現象が発生しているメールが HTML 形式の場合)
- [下書き] フォルダーに保存したアイテムを開きます。
- [書式設定]-[リッチ テキスト] をクリックして保存します。
- [HTML] をクリックして HTML 形式に戻します。
(2) 既定の文字コードを Unicode (UTF-8) にする
- [ファイル]-[オプション]-[詳細設定]をクリックします。
- [Outlook オプション] ダイアログの画面右側の [文字設定オプション] の以下の項目を設定変更します。
“送信メッセージで優先使用するエンコード方法” で Unicode (UTF-8) を選択します。 - [OK] をクリックしてダイアログを閉じます。
※対処方法 (2) の Outlook クライアントの既定の文字コードを Unicode (UTF-8) にすることで回避する理由は、Unicode (UTF-8) には日本語で一般的に使用する文字列がほぼカバーされているため、Exchange Server 側で Outlook と異なる文字コードと判定されず、問題がある処理が行われないためです。
その他
以下の公開情報にある問題は、本 Blog の現象の発生条件とエラーメッセージは同じですが、根本原因は異なります。
Title : "The operation failed" error in the Outlook client when you open a saved message from the Drafts folder and then try to send it
URL : http://support.microsoft.com/kb/2763886/en-us
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