グローバリゼーション、ユーザー ニーズの多様化、競争環境の激化など企業を取り巻く環境の変化は激しさを増しています。こうした変化に企業が柔軟に対応するための切り札として「クラウド」が再び注目を集めています。必要なときに必要な分だけ IT リソースを確保でき、ビジネスを開始したいときにスモール スタートで始められるクラウドは、まさに変化の時代に求められる、柔軟性と俊敏性を兼ね備えた選択肢と言えます。
さらには、海外展開を加速する企業が増えている状況もクラウドへのシフトを後押ししています。海外に支店や工場を展開するうえで、インターネット環境に接続できるデバイスさえあればすぐに利用できるクラウドは、コスト、スピード、柔軟性などあらゆる面で大きなメリットが期待できます。特に、メールやファイル共有、社内ポータル、会議システムといったコミュニケーション/共同作業を担う情報共有基盤は、SaaS 型のクラウド導入によるメリットが大きく期待できる分野であり、今後大きくクラウドへのシフトが進むと考えられています。
しかしながらこの「クラウド型の情報共有基盤」を導入する際には、オンプレミスのシステムとはまた違った角度からも充分な検討が必要になります。ユーザーが毎日利用するシステムだけに、サービス導入後に「操作方法が異なる」「必要な機能が足りない」「拠点によって利用ができない」といった問題が起きると、取り返しがつかないケースもあります。スタートの敷居が低い分、あまり深く検討をせずにサービスを選定してしまい、後々思いもよらないリスクが顕在化するケースが後を絶たないのです。
本特集では、クラウド型情報共有基盤を選択する際に見落としやすい意外な盲点と、盲点を見落とさないためのチェックポイントをご紹介します。