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Yammer とマイクロソフト エンタープライズ ソーシャルのロードマップ

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2012 年 6 月にマイクロソフトが Yammer を買収して以来この 1 年間、エンタープライズ ソーシャルを取り巻く環境は確実に進化してきました。マイクロソフトは既に、2012 年 12 月より提供を開始した SharePoint 2013 に同様のソーシャル テクノロジーを搭載しており、早期導入ユーザー様のほとんどが、これらの新しいテクノロジーの導入を開始または計画されていることからも、お客様の関心が高まっていたことは明らかです。さらにマイクロソフトによる Yammer の買収によって、より多くのお客様の目に触れることになり、エンタープライズ ソーシャルへの期待はさらに高まってきたと感じています。今回は皆様に、この Yammer を中心として、マイクロソフトのエンタープライズ ソーシャルに対する取り組みをご紹介したいと思います。

 

Yammer とは?

Yammer はシリコンバレーで創業した非常に若いベンチャー企業です。コンシューマー領域で爆発的に普及している Twitter や Facebook といった SNS 機能を企業や組織内に持ち込み、あたらしいコミュニケーション手段を提供するためのクラウド サービスを提供しています。歴史は古くはありませんが、すでに全世界で 800 万人以上のユーザーが利用 する、エンタープライズ ソーシャル市場のデファクト スタンダードに成長しました。気軽な投稿、「いいね」 をはじめとする気軽な返信、ドキュメントやビデオなどのマルチメディア コンテンツの活用、グループによる範囲を絞った深いコミュニケーション、グループをまたいだ共有、といった、コンシューマー領域で使い慣れた SNS 機能をひととおり搭載しており、すぐに使い始めることができます。エンタープライズ ソーシャル ツールはすでにいくつかのベンダーから提供されていますが、Yammer は以下のような 3 つの特徴を持っています。

特徴① メールアドレスで認証するため、非常に簡単に利用開始できます。同一ドメインのメール アドレスを持つユーザーは、自分の会社や組織のネットワークに自由に参加できます。逆に、同一ドメインに所属しないユーザーは、そのネットワークに入ることができません。このため、安全な環境で安心してビジネス コミュニケーションを行うことができます。

特徴②ネットワーク内部に 「グループ」 を作成することで、コミュニケーション範囲を絞り込むことができます。グループには、招待が必要な 「プライベート」 と、ネットワークのメンバーであれば自由に参加できる 「パブリック」 があります。さらに 「外部ネットワーク」 を作成すると、会社や組織のネットワークを危険にさらすことなく、ドメインの異なる相手との専用コミュニケーション領域を設定できます。いずれも、内部でできる機能に大きな差はありません。

特徴③フリーミアムです。会社や組織のメール アドレスを使って誰でもサインアップし、無料でネットワークを作成できます。有料契約を締結いただくと、ログやアクセスの分析、SSO、既存システムとの連携など管理機能が提供されます。一般ユーザーにとっては、無料版でも有料版でも、利用できる機能にほとんど差はありません。

 

マルチデバイス対応

一般的なブラウザーをひととおりサポート (Internet Explorer、Firefox、Safari、Chrome) しており、また、一般的なモバイル プラットフォーム用のアプリ (Windows 8、Windows Phone、iOS、Android、Blackberry) もひととおり提供しています。 エンタープライズ ソーシャルは、日常のちょっとした会話や雑談、息の長いディスカッションなどをサポートするのに最適です。したがって、ちょっとした隙間時間を活用して、最新情報を閲覧、投稿、返信できる Yammer は、モバイル シーンにおいて非常に大きな効力を発揮します。

 

日常業務との連携も可能

Yammer は会話を埋め込むためのフィードや、SharePoint 用アプリ、Dynamics CRM 連携機能などを提供しています。また Open Graph 準拠の API を提供しており、これらによって、既存の業務やシステムとの連携が容易に可能です。たとえば、SharePoint のチームサイトに Yammer のフィードを埋め込むことで、特定のチームやプロジェクトに関するすべての情報 (ドキュメント、タスク、予定、会話など) を、単一の SharePoint に集約することができます。プロジェクト参加メンバーの共同作業の効率化、遅れて参加したメンバーのキャッチアップなどに最適です。またたとえば、Dynamics CRM や SharePoint ビジネス インテリジェンスとの連携により、顧客や製品、市場など、特定の共通項目に対して全社から有用な知識を吸い上げるのにも役立ちます。これらは、既存の業務のスタイルを大きく変えずに、SNS 機能によってあるがままをさらに効率化しようとする試みです。社内 SNS 導入の第一歩としては、非常に受け入れやすいアプローチです。

          

 

 

Yammer と SharePoint のどちらから始める?

SharePoint 2013 でも、標準で SNS 機能を搭載しています。SharePoint 2013 開発時点では Yammer の買収が完了していなかったのが大きな理由ですが、Yammer にはクラウド版しか存在しない、SharePoint では Active Directory の展開が必須など、双方のスタンスにいくつかの差があります。これらのどちらを利用すべきか、についてお問い合わせいただく機会が多いのですが、大まかには以下のようなポイントでの利点欠点の組み合わせ踏まえて、ご選択いただければと思います。

1. クラウドかオンプレミスか

これはわかりやすい差異です。Yammer にはクラウド版しか存在せず、また今後オンプレミスの提供を予定してはおりません。一方 SharePoint は、オンプレミスの SharePoint Server、マイクロソフトのクラウドである SharePonit Online、さらにはパートナー企業によるホスティングサービスなどが提供されており、それらの組み合わせも含めて選択肢の幅が提供されています。

2. 誰がドライブするか

ユーザー主導のボトムアップで成果を出しながらバイラルに広げていく場合は Yammer、IT 主導で中核となる設計に基づき計画的に展開していくなら SharePoint が適しています。Yammer は管理機能が不要であれば完全に無料で使い続けることができます。ROI が不明瞭になりがちな中、実際に使ってもらって成果を出したうえで予算を獲得して有償契約に移行する、というステップは Yammer の展開において一般的な方法です。SharePoint は Active Directory やポータルの配置など、初期段階で決めておくべきことがいくつかあるため、しっかりとした展開計画が必要です。その代り、IT 部門はあらゆるユーザーの行動を統制することが容易になります。

3. どこから手をつけるか

現在のコミュニケーション手段を超えて、まったく新しい人と人のつながりを爆発的に作り出すなら Yammer が向いているかもしれません。Yammer は Facebook に似たインターフェースを採用しており気軽に利用を開始できるため、ボトムアップで多くのユーザーに使ってもらい、今までとは別次元のコミュニケーションを実現できます。しかし、いきなり現状を変えたくないのであれば、SharePoint による日常業務プロセスとの連携は非常に重要です。ユーザーにとって今までのやり方を大きく変える必要がなく、今までのやり方がより便利になるのであれば、ツールを受け入れてもらいやすくなります。最終的には、組織や役割を超えたコミュニケーションの活性化がゴールですが、どの位置からスタートするのかで、どちらが適しているかが決まります。

 

マイクロソフト エンタープライズ ソーシャルの今後

すでに、Office 365 の 「ニュースフィード」 タブを 「Yammer 」 に変更するための仕掛けや、SharePoint Server/Online 用の Yammer アプリ (Web パーツ) はリリースされています。この夏~秋にかけては、インターフェースの統合やシングル サインオン、Office Web Apps 統合などが予定されています。将来は、Exchange や Lync など他のコミュニケーション手段も合わせた統合が計画されています。マイクロソフトはクラウド ファーストを表明しており、また特にコンシューマー領域でもどんどん新しいテクノロジーが登場している SNS においては、従来と比べて非常に短いサイクルで機能更新を予定しています。ぜひご期待ください。

 


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