こんにちは。日本マイクロソフト Outlook サポート チームです。
Outlook 2013/2016 で、1 つのプロファイルに 2 つ以上の Exchange アカウントで接続し、キャッシュ モード オンからキャッシュ モード オフへ変更後、プロファイルに関連付けされている .ost ファイルを削除した場合、メールが [送信トレイ] に滞留し、送信できない事象が発生します。
この記事では、この事象と対処方法についてご紹介いたします。
発生条件
以下のすべての条件を満たす環境で発生します。
1. Outlook 2013 または Outlook 2016
2.1 つのプロファイルに 2 つ以上の Exchange アカウントがある
3. キャッシュ モード オンのプロファイルをキャッシュ モード オフに変更した後、関連付けされている .ost ファイルを削除した場合
4. クライアントに対処方法 A (後述) のレジストリを追加されていない端末
再現手順
1.Outlook 2013/2016 環境にて、UserA の新規 Exchange 接続のプロファイルを作成します。
2.作成したプロファイルに UserB の Exchange 接続のアカウントを追加します。
3.UserA と UserB のキャッシュ モードの設定接続をオンからオフに変更します。
4.UserA と UserB の .ost ファイルを削除します。
ost ファイルは既定では以下の場所に生成されます。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Outlook
5.Outlook を起動し、それぞれのアカウントからメールを送信します。
結果
送信したメールが [送信トレイ] に滞留し、送信できません。
対処方法
A. クライアント端末に NoOST レジストリを追加する
Outlook 2013 の場合 :
レジストリキー:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\Outlook\OST
または
HKEY_CURRENT_USER\Software\policies\Microsoft\Office\15.0\Outlook\OST
種類: REG_DWORD
名前: NoOST
値: 2
Outlook 2016 の場合 :
レジストリキー:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\OST
または
HKEY_CURRENT_USER\Software\policies\Microsoft\Office\16.0\Outlook\OST
種類: REG_DWORD
名前: NoOST
値: 2
- 補足
本レジストリは、キャッシュ モード オフと .ost ファイルを作成しないように制御するためのレジストリとなります。
上記レジストリはグループ ポリシーによる展開が可能ですので、以下の参考資料をご参照ください。
- 参考資料
Title : Outlook 2013 で Exchange キャッシュ モードの展開を計画する
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc179067.aspx
Title : Windows 版 Outlook 2016 で Exchange キャッシュ モードの展開を計画する
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc179067(v=office.16).aspx
B. プロファイルの再作成
新規プロファイル作成時にキャッシュ モード オフで作成します。
- 手順
1.[コントロール パネル] - [メール] - [プロファイルの表示] をクリックします。
2.[使用するプロファイルを選択する] を選択し、[追加]をクリックします。
3.プロファイル名を入力し、[OK] をクリックします。
4.プロファイルの作成が完了したら、[アカウントの追加] ウィザードが表示され、[別のアカウントの追加] をクリックします。
5.追加するアカウントの設定をします。
6.電子メール アカウントの設定が終了すると、追加したプロファイルが一覧に表示されます。
7.追加したプロファイルをダブル クリックし、「メール設定」画面にて、[電子メール アカウント] を選択します。
8.「アカウント設定」画面にて、[電子メール] タブがアクティブであることを確認し、アカウントをダブル クリックします。
9.「Exchange キャッシュ モードを使う」をチェック オフし、[次へ] - [完了] をクリックします。
10. 他の追加アカウントをダブル クリックし、手順 9 を実施します。
11. すべてのアカウントをキャッシュ モード オフに設定しましたら、「アカウント設定」画面、「メール設定」画面を閉じます。
その他
この事象は、Outlook 2010環境および 1 つのプロファイルに 1 つの Exchange アカウントで接続する場合は発生しません。
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