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IoT の可能性を解き放つ — インテリジェントクラウドからインテリジェントエッジまで

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2018 年 5 月 7 日 | Azure IoT 部門パートナーディレクター、Sam George

このポストは、2018 年 5 月 7 日に投稿された Unlocking the IoT promise—from the intelligent cloud to the intelligent edge の翻訳です。

 

私たちはこれまで、企業の業務を改善するだけでなく、現実世界に影響を与えるような IoT ソリューションを開発者が構築できるように、インテリジェントクラウドからインテリジェントエッジまでを強く提唱してきました。また、先月には、コネクテッドソリューションを実現するための最高のツールやサービス、セキュリティ、エクスペリエンスを今後も提供し続けるため、今後 4 年間で50 億ドルを IoT に投資することを発表しました。毎年開催しているイベントMicrosoft Build 2018 には、約 6,000 名の開発者、カスタマー、パートナーの皆さまがシアトルに集まり、オンラインではさらに多くの方が参加し、新しい機能やプログラム、新たなパートナーシップを発表し、私たちがこの取り組みをどのように進めているのかをさらに詳しく説明いたします。

 

インテリジェントエッジを可能にする

インテリジェントエッジでは、ソフトウェアとハードウェアを組み合わせ、クラウド内のデータではなくデバイス周辺のデータを集約して分析します。これにより、ほぼリアルタイムのデータ分析が可能となり、エッジとクラウド間の使用帯域幅が削減され、デバイス上で直接実行可能な先進の AI を実現することができます。Build でご紹介するように、Microsoft では、開発者がインテリジェントエッジのソフトウェアコンポーネントとハードウェアコンポーネントの両方を利用できるようにするための取り組みに注力しています。

 

Azure IoT Edge の最新情報

Microsoft Build 2017 では、人工知能(AI)や Azure サービスのほか、インサイトを生成する、そして、その生成されたインサイトに基づいて迅速に行動するためのカスタムロジックを、エッジデバイス上でローカルかつ自立的に実行できるようにする Azure IoT Edge を発表しました。この発表以来、私たちは、お客さまと共同で、さまざまな Azure サービス(Azure FunctionsAzure Stream AnalyticsAzure Machine LearningSQL Server データベースなど)をエッジにデプロイするための取り組みを行ってきました。今年は、インテリジェントエッジにおける革新をさらに加速させるのに必要なツールを開発者に提供する、新しい機能や新たにサポートするサービス、プラットフォームなどを発表いたします。その一部をここでご紹介します。

  • エッジデプロイ向けの Microsoft Cognitive Services のサポート: Microsoft Cognitive Services の API を使用すると、開発者は、物体を認識したり、話をしたり、話を聞いたり、話の内容を解釈するなど、さまざまなことを可能にするソリューションを作成することができます。私たちは、この機能をエッジに導入しようとしています。Custom Vision サービスへの導入を手始めとして、Azure IoT Edge 向けに Cognitive Services がサポートされることで、クラウドやネットワークへの常時接続を必要とせずに、ドローンや産業機器といったコネクテッドデバイスが重要なアクションを素早く実行できるようになります。
  • エッジにおけるイベントルーティング: Azure Event Grid は、プッシュ機能を備えたパブリッシュサブスクライブモデルを用いてイベントを常に同じ方法で受け取れるようにする、完全マネージド型のイベントルーティングサービスです。Event Grid は、アプリケーション間やサービス間、組織間でイベントを簡単に接続できるようにします。Event Grid の柔軟性、相互運用性、高い処理能力が、Azure IoT Edge にまもなく組み込まれます。これが実現されれば、Azure と同じようにサービスやモジュールを接続できるようになります。
  • Azure IoT Edge ランタイムのオープンソーシング: Azure IoT Edge では、コンテナ化されたサービスのオープンエコシステムが既にサポートされています。Microsoft は、Azure IoT Edge ランタイムをオープンソーシングすることで、このエコシステムをさらにオープンなものにしようと取り組んでいます。ランタイムソースコードの利用により、開発者は、自身が開発するエッジソリューションをより柔軟にコントロールできるようになり、その結果、ランタイムの修正、問題の解決を行えるようになります。
  • Kubernetes のサポート: Azure IoT Edge は、オープンコンテナ技術の上に構築されています。そのため、エコシステム内にある他の素晴らしいプロジェクトをシームレスに統合することが可能です。現在、Virtual Kublet プロジェクトを用いた Kubernetes の管理のサポートを追加しようとしています。これが実現されれば、クラウドとエッジの設定の一貫性の向上に関して新しい可能性を開くとともに、IoT ハブ間で同じ設定を追加できるようになります。これにより、クラウドとエッジの両方をカバーする Kubernetes クラスターを実現できます。
  • エッジアプリケーションを構築、テスト、デプロイ、メンテナンスするための豊富なツールセット: 開発者は、VSCode などの有名なツールを使用して、複数の言語で Azure IoT Edge モジュールを構築できます。このことにより、開発者は、ツールの使い勝手を変えることなく、開発、デバッグ、コンテナへのパッケージ化、デプロイを行うことができるのです。さらに、アプリケーションを素早く効率的に構築、テストして IoT エッジにデプロイできるように、Visual Studio Team Services および Microsoft Team Foundation Server を使用して、継続的な統合とデプロイを行うためのツールを提供する予定です。
  • IoT Edge のマーケットプレイス: パートナーと開発者は、まもなく、あらかじめ構築されたエッジモジュールを Azure Marketplace で検索できるようになるほか、Azure Marketplace を通じて Azure IoT Edge モジュールを共有して収益化できるようになります。これは、あらゆる産業向けに "ready-to-use" なソリューションを取りそろえた Azure IoT Edge のリッチなエコシステムを構築するための第一歩です。

 

インテリジェントエッジデバイスの最新情報

Microsoft では、2 つの重要なパートナーシップを含め、さまざまなエリアでハードウェアサポートの拡大にも取り組んできました。こうした取り組みにより、 Azure IoT Edge は、開発者にとってさらにオープンで、便利で使いやすいものになっていきます。

  • 大手ドローン企業の DJI との提携: Microsoft と DJI は、Azure IoT Edge と AI 技術を活用して、農業、建設業、公共安全などの主要業界のお客さま向けに商用のドローンソリューションを共同開発しています。DJI と Microsoft は、(上空と地上のセンサーから得られたデータを、Azure IoT Edge 上で動作する AI モデルを用いて集約、分析する)Microsoft の FarmBeats ソリューションを使用して、精密農業技術を発展させるための取り組みを既に共同で行っています
  • Microsoft Qualcomm による、エッジ上でオンデバイス推論を行うための AI 開発者向けキットの共同開発: 今回、モバイル、IoT デバイス向けチップセットメーカーの世界最大手である Qualcommとの提携を発表いたします。この提携を通じて、視覚 AI 開発者向けキットを開発するとともに、Qualcomm の最新の AI ハードウェアアクセラレーターを強化して、クラウドや高価なマシンに常時接続せずともデバイス上でリアルタイムに AI 機能を実現できるようにします。この視覚 AI 開発者向けキットには、Azure IoT Edge および Azure Machine Learning を用いてカメラベースの IoT ソリューションを開発するのに必要な主なハードウェアとソフトウェアがすべて含まれます。このキットは、開発者が、AI 対応の次世代のロボット、産業安全技術、店舗・家庭・企業向け防犯カメラ、スマートホームデバイスなどを実現するのを支援します。
  • エッジでのリアルタイムな意思決定を可能にする、さらに高速になった AI: Project Brainwave によってさらに高速化した Azure Machine Learning ハードウェアに関する本日の発表の一環として、エッジ上で動作する Project Brainwave の限定プレビューも発表する予定です。Project Brainwave により、インテリジェントクラウドで実現されているリアルタイム AI がインテリジェントエッジでも利用できるようになります。私たちは、Microsoft の Azure IoT Edge を利用して、業界トップのディープニューラルネットワーク(DNN)の性能を Azure で実現します。この DNN は、Azure IoT Edge デバイスとして機能し、オンプレミスで利用できます。Project Brainwave によって、最小の遅延かつリアルタイム AI としては業界最低コストで、DNN による最新の推論手法が利用できるようになります。
  • Azure Certified for IoT プログラムによる Azure IoT Edge 用ハードウェアのサポート: Azure Certified for IoT の現在のデバイスカタログプログラムを拡張し、IoT Edge のハードウェアをカタログに追加します。これに関連して、チップセットからクラウドに至るまで、安全な IoT デバイスを実現するための安全なエッジハードウェアを提供すべく、HPE、Advantech、Moxa と提携いたしました。今後、デバイスが提供するコア機能(セキュリティ、デバイス管理、 AI などの高度なサービス等)に基づき IoT Edge ハードウェアを認定します。

これらはすべて、エッジハードウェアの革新に関する最近の機運の高まりを受けたものです。つい先月開催された RSA カンファレンスでは、セキュリティ機能を内蔵した新しいクラスのマイクロコントローラー(MCU)の処理能力、セキュリティとアジリティが最適化された専用の OS、あらゆるデバイスを保護するクラウドセキュリティサービスを組み合わせた業界初のソリューションAzure Sphere を発表しました。Azure Sphere によって、私たちの活動対象をインテリジェントエッジの周辺領域まで広げることが可能となり、全く新しいカテゴリのデバイス(毎年何十億台も製造、デプロイされる MCU 搭載デバイス)にサービスを提供して保護することが可能となります。

Azure Sphere ソリューションでは、デバイスメーカーが自社デバイスの IoT の可能性を切り開けるようにするため、MCU 搭載デバイスの開発環境を根底から最新化する一連の Visual Studio ツールが追加されています。Seeed Studio を始めとする Azure Sphere 開発キットには、Azure Sphere アプリケーションのプロトタイピングと開発を始めるのに必要なものがすべて含まれています。本日、Azure Sphere 開発キットを先行予約すれば、数か月以内に予定されている発売と同時に真っ先にご利用いただけます。

 

Windows 10 IoT

Windows 10 IoT を使用することで、開発者は、安全でスケーラブル、かつ Azure IoT の機能が組み込まれた強力なソリューションをエッジで開発できます。本日、Build にて、Windows 10 IoT の新しい機能を発表いたします。Windows、Windows AI プラットフォーム with Windows 10 IoT、Azure Machine Learning、Azure IoT Edge の次のリリースでは、DirectX 12 対応のあらゆる計算デバイスで、ハードウェアによってさらに高速化された機械学習モデルを評価できるようになります。この技術によって、実にさまざまな最新ハードウェアの性能を最大限引き出すことができます。新しく発売されるほぼすべての Windows PC にDirectX 12 互換の GPU が搭載される見込みであり、インテリジェントエッジソリューションを実現するためのさまざまな選択肢がもたらされます。

さらに、最近締結した NXP とのパートナーシップに関する最新情報をお知らせいたします。Microsoft と NXP は、IoT コアの次回リリースにおいて、i.MX6 および i.MX7 を搭載した IoT コアの商用サポートを開始します。Microsoft では、このプラットフォームへの投資を継続する予定であり、Windows 10 IoT 対応デバイスの機運が盛り上がることを期待しています。

 

インテリジェントクラウドの改善

インテリジェントエッジが至る所に普及しても、インテリジェントクラウドは、IoT データの保存、処理、分析の中心であり続けます。本日、Microsoft は、IoT クラウドをさらにインテリジェントなものにするためのさまざまな方法を発表いたします。

 

Azure IoT Hub の改善

プレビューでは、IoT デバイスの接続と管理を簡単かつ安全に行うための PaaS サービス、Azure IoT Hub に対する複数のアップデートを発表いたします。

  • デバイスの自動管理: 構成やデプロイを 1 度指定した後に、新しいデバイスが IoT Hub に追加されると、そのデバイスが IoT Hub によって自動的に管理されます――デプロイが複雑で、デバイスの更新を大規模に監視する必要がある場合に最適です。
  • モジュールツイン: デバイスにインストールされているアプリケーションや、さらにはアプリケーション内のモジュール(IoT Edge のデプロイなど)を、きめ細かく管理できます。

 

Azure Maps

Azure Maps(旧名称は Azure Location Based Services)は、6か月にわたる公開プレビュー中にお客さまからいただいた多数の素晴らしいフィードバックを生かして、一般販売されるに至りました。Azure Maps は、もともと Azure に組み込まれていた地理空間 API のポートフォリオです。開発者は、地図機能や検索機能、経路探索機能、タイムゾーン機能、交通情報機能を自らのアプリケーションにシームレスに組み込めるようになります。今回、Azure Maps に新しい機能が追加されました。

  • ジオメトリ検索: 指定されたジオメトリ(またはジオメトリセット)の内部を検索できます。
  • 近傍検索: 指定された地点から指定された半径内を検索できます。
  • 経路上の検索: 特定の経路上を検索できます。
  • 新しい静的画像 API: Azure Maps のブランドデザインを使用して、埋め込み可能な地図画像を生成します。

 

Azure IoT Solution Accelerators

本日、複雑な設定なしですぐに使えるソリューションアクセラレーター、Azure IoT Remote Monitoring に関する最新アップデートを発表いたします。以下の新機能が追加されました。

  • さらに充実したユーザーインターフェイス: オペレーターによる使い勝手がさらに向上
  • さらに充実したオペレーターのシナリオ: Azure Stream Analytics によってルールとストリーミングがさらに強化
  • より簡単なデバイス接続: デバイス情報を途切れることなく常に見ることが可能
  • 改善されたマップ: Azure Maps の導入により、地理空間のコンテキストをデータに組み込むための最新技術が利用可能
  • より豊富な組み込みオプション: Power BIAzure Time Series InsightsAzure Data Lake などのサービスを組み込み可能

さらに、Telefónica の IoT 接続プラットフォームを統合するため、Telefónica との共同作業を開始しました。Remote Monitoring および Telefónica の IoT 接続プラットフォームを利用しているお客さまは、Remote Monitoring を用いて SIM 搭載デバイスを管理できるようになります。

Azure IoT Solution Accelerators(旧名称は Azure IoT Suite)に加えて、Azure IoT Reference Architecture に関する最新情報を発表いたします。これは、IoT 向けクラウドソリューションの背後にある技術を理解したいと考えている開発者とアーキテクチャ設計者向けの総合ガイドです。本日は、その最初のセクションをここからお読みいただけます。今後数週間以内に、新たなセクションが公開される予定です。

Remote Monitoring を利用しているお客さまは、Dynamics 365 for Field Service を用いてビジネスプロセスに接続することが可能となり、問題が発生する前にその問題を検出して原因を調べ、解決できるようになります。これにより、コストがかかる計画的なメンテナンスから、ジャストインタイム方式のメンテナンスへの移行が可能になります。

開発者として、とてもわくわくしています。ユーザーの皆さんが次に何を生み出すのか、待ちきれません。

 

参考:

 


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